更新日 2017-07-13 | 作成日 2017-07-13

日本大学理工学部建築学科
 Department of Architecture. Nihon University College of Science and Technology. 

日本大学理工学部建築学科 駿河台キャンパス
101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14
Tel 03-3259-0724(教室事務室)
E-mail www-admin@arch.cst.nihon-u.ac.jp

 

■テーマ
 
『つながる家』
 
■課題主旨
 
 IT時代では、大量の情報に高速で触れることができます。 一見豊かな社会になったようですが、本当にそうでしょうか。 建築によって何か別のつながりの可能性もありそうです。子どもやお年寄りが世代を超えて、ぬくもりのある家族の絆を築く空間づくりは、従来の住空間では未解決で、われわれの予想を超えた大きな課題のようです。また、他人同士が住まうシェアハウスやグループホームなど、新しい家族像や集合住宅も思い浮かびます。
 
 一方、建築のつながりを立体的または造形的に考えてみると、連結住居や立体住居など新しい形態やデザインを考える起点になる可能性を秘めています。太陽の光・風・水辺・里山・身近な庭などの自然環境とのつながりや、太陽光や風力などを利用する再生可能なエネルギーについても、もう一度考え直す必要がありそうです。魅力的な路地や広場、にぎわう朝市や商店街など建築と街のつながりは、いきいきとした人の交わりを育んできました。
 
 「つながる家」は「住まい」とは限らず、人と人、人と何かがつながる空間、つまり家と感じられる空間すべてが対象となります。皆さんが気になる場所、例えば、カフェテラスやフリーマーケット、あるいはコンビニや駅のプラットフォームも、新鮮な発想で考えると、今とは違うつながり方を考えるきっかけになると思います。古い民家やシャッターの降りた店舗を改装し、その土地の歴史や文化とのつながりを再生させることも大切です。
 
 情報に満ちあふれている中で孤独感が広がらないように、 建築をとおして、皆さんのつながるイメージを思い描いてみませんか。 そのことによって、IT時代における建築の持つ大切なこととは何か、審査員と一緒に考えてみましょう。

■提出内容
 
 住まいと住まいの周辺についての提案
・原則として戸建ての住宅または小規模の集合住宅を対象にし、敷地周辺についても考慮すること。
・構造、階数などは自由。法規制についても、常識の範囲内でかまわない。
・立地状況、敷地の広さなどは各自が設定すること。
・家族構成、所要室なども各自の提案にしたがって、それぞれ設定すること。
・下記の内容を、A1用紙1枚にまとめること。紙質・表現・仕上げは自由だがパネル化はしないこと。応募者の氏名などを提出図面に記入してはならない。
 
1)設計概要:設計および提案の主旨を600字程度にまとめる。提案内容にふさわしい作品タイトルをつけることが望ましい。
2)配置図兼1階平面図:配置図には周辺との関係、外構計画を表現する。縮尺1/50〜1/100。
3)その他の各階平面図:平面図には室名・寸法・家具などを記入する。室名などは、日本語表記のみでよい。縮尺1/50〜1/100。
4)断面図:1面以上。縮尺1/50〜1/100。
5)立面図:1面以上。縮尺1/50〜1/100。
6)全体外観図:模型写真でも可。ただし、模型は受けつけない。
7)その他:各自の提案内容を表現するために必要と思われる説明図、スケッチなどを描いて説明しても良い。
 
■応募資格
 
 2013年4月現在、高等学校在籍の生徒とする。応募は個人とする。 なお、今年度は第60回を記念し、高等専門学校に在籍する3年次生までの生徒の参加を認める。
 
■応募案の取り扱い
 
・著作権・応募作品は未発表の作品に限る。
・本設計競技の応募作品の著作権は応募者に帰属するが、応募作品の利用に関する権利は主催者が保有する。
・応募作品は原則として返却する。ただし、返却時期は主催者の判断によることとし、また、返送先は、応募時の宛先とする。
・応募にあたる著作権料または使用料については、主催者は負担しない。
 
■応募方法
 
・必要事項を記入した同封の応募用紙を封筒に入れ、提出物と一緒に郵送する。
・締切日:2013年8月30日(金) 当日消印有効
・提出先:〒101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14 日本大学理工学部建築学科教室事務室内 日本大学全国高等学校・建築設計競技会事務局
・電話 03-3259-0724 / FAX 03-3293-8253
 
〈応募用紙のダウンロードはこちら【application.pdf】〉
 
■審査員
 
審査員長 渡部和生(建築家)
審査員 糸長浩司(生物資源科学部生物環境工学科)
    浦部智義(工学部建築学科)
    北野幸樹(生産工学部建築工学科)
    熊谷廣己(藝術学部デザイン学科)
    桜井慎一(理工学部海洋建築工学科)
    佐藤光彦(理工学部建築学科)
    篠崎健一(生産工学部建築工学科)
    橋本 修(理工学部建築学科)
    速水清孝(工学部建築学科)
    矢代眞己(短期大学部建築・生活デザイン学科)
    山﨑誠子(短期大学部建築・生活デザイン学科)
    山本和清(理工学部海洋建築工学科)
 
■賞
 
最優秀賞 1点
優秀賞 5点
高専賞 1点
佳作 5点程度
奨励賞 10点程度 (賞状、賞品は応募者本人に、副賞は奨励金として応募者が在籍する学校に贈呈する。なお、優秀賞以上6点については、公開発表会参加のため、本人と引率教員の交通費を支給する。)
 
■審査
 
 第1次審査は、審査会を開催し、優秀賞6点、高専賞1点、佳作5点程度、奨励賞10点程度を選出する。 第2次審査は、公開による発表会を開催する。第1次審査で選出された優秀賞6点の応募者による発表を行い、最優秀賞1点を選出する。
 
■公開発表会(2次審査会)
 
・表彰式・交流会 日時:2013年11月9日(土) 公開発表会は14時00分から
・場所:日本大学理工学部駿河台校舎 東京都千代田区神田駿河台 1-8-14
 
■発表
 
 審査結果は、応募者の在籍する学校に直接通知する。電話などによる問い合わせには一切応じない。入賞作品は、日本大学理工学部・生産工学部・工学部の各学部校舎で巡回展示会を開催する予定。また、入賞作品をホームページに掲載するとともに、作品集を応募者の在籍する学校に郵送する。
 
理工学部建築学科ホームページ
理工学部海洋建築工学科ホームページ
生産工学部建築工学科ホームページ
工学部建築学科ホームページ
短期大学部建築・生活デザイン学科ホームページ
 
■日本大学全国高等学校・建築設計競技委員会
 
委員長 浅里和茂(工学部建築学科)
委員 市岡綾子(工学部建築学科)
   糸長浩司(生物資源科学部生物環境工学科)
   浦部智義(工学部建築学科)
   北野幸樹(生産工学部建築工学科)
   熊谷廣己(藝術学部デザイン学科)
   桜井慎一(理工学部海洋建築工学科)
   佐藤慎也(理工学部建築学科)
   佐藤光彦(理工学部建築学科)
   中田 弾(理工学部建築学科)
   篠崎健一(生産工学部建築工学科)
   橋本 修(理工学部建築学科)
   速水清孝(工学部建築学科)
   矢代眞己(短期大学部建築・生活デザイン学科)
   八藤後猛(理工学部まちづくり工学科)
   山﨑誠子(短期大学部建築・生活デザイン学科)
   山本和清(理工学部海洋建築工学科)
幹事校 工学部建築学科

■視点
 
 私は、福島県に生まれ、東京に建築設計のワークステーションを持っています。 東京と東日本大震災の被災地を往復していると、建築の設計で大切なことは何かと、考えされられることが多くなりました。人と人の目線が交わることや、相手の言葉を肉声で聞くこと、手のぬくもりを直に感じることが、今まで以上に大切に思えてきました。人を支援するためには、物や情報だけでは不十分な気がしてきたのです。人の「夢」が失われないようにすることが、被災地だけでなく、今の日本には必要だ と感じるようになりました。 私の事務所がある神楽坂からは、夕方、暮れなずむ西新宿の超高層ビル群のあかりが見えます。かつては美しいと思ったこの風景も3・11以後は、何か頼りない、移り気な景色に見えます。それは福島への郷愁からと思っていましたが、今はそればかりでなく、日本中がインターネットや携帯電話だけで便利につながっていることに、不安を抱くようになりました。ささやかな品物を分かち合う仮設住宅のある被災地と、物があふれる東京を往復していると、人と人、人と何かがつながる建築を捜してみたくなりました。 私たちと一緒に、捜してみませんか。応募作品を通じて、審査チームと設計する皆さんが、気持ちの上で もつながることを願っております。
 

日本大学全国高等学校・建築設計競技審査会審査員長
渡部和生(わたべ・かずお) / 建築家

 
■ごあいさつ
 
 日本大学全国高等学校・建築設計競技は本年で第60回を数えることとなり、大学主催の高校生を対象とした設計競技とし ては最も歴史あるものとなって参りました。これも、これまでご参加いただいた生徒の皆さんと指導にあたられた先生方の 熱意と努力の結果によるものであり、心より感謝申し上げます。 日本大学には、建築系学科をもつ学部として理工学部、生産工学部、工学部、藝術学部、生物資源科学部、短期大学部の 6学部があり、その共通事業として本設計競技が実施されています。本年は工学部が幹事校を務めることとなり、審査員長 として建築家の渡部和生先生にお願いし、「つながる家」をテーマに作品を募集することとなりました。また、第60回の節 目として、高等専門学校の3年生まで参加者の門戸を広げることにしました。 本設計競技は設計という形をとっていますが、学科の制限無く応募いただけますので、図面の巧拙の枠組みにとらわれな いアイデアあふれる作品をお待ちしております。貴校におかれましては意欲と関心のある生徒の皆さんに、多数のご応募を くださいますようご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
 

日本大学全国高等学校・建築設計競技委員会 委員長
浅里和茂
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