SELECTION
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杉山舞
花と暮らす住宅
Super Jury

敷地調査によって、花壇や鉢植えのある住宅が多い地域であることがわかりました。また、お寺やお墓が近隣にあり、常に花が必要とされる状況があると考え、花屋を併設した住宅を提案します。

家族構成は花屋を経営する父、母、祖母、娘の4人で、母はフラワーアレンジメント、祖母は生花を教えています。花が谷中全体に広がるとともに、花を通じた体験イベントによって地域の人々の交流を促すことを考えました。

1階平面

2階平面

花屋と住宅が干渉し合い、また住む人同士も互いの存在を感じられる空間にするため、花を壁の代わりに利用します。また、床を分割して高さを変えて空間を緩やかに区切りました。さらに床を回転させていくつかの吹抜けをつくり、1階の花屋と2階の住宅のつながりをもたせています。

断面

植物は種類によって、大きさや必要な日当たりなどの特徴は様々です。この住宅では、それぞれに合った場所に植物を置くことができます。住宅の外周部はガラス張りで、屋外の木々と室内の植物が呼応します。室内に立つ柱は、外から見ると木々のようにも見え、住宅全体が森のような雰囲気を醸します。周辺の木々と響き合い、住宅が街に溶け込み、植物と人と暮らしが混ざる住宅です。

講評
佐藤淳

花には棚がたくさん必要でしょうし、家具的な要素ももっと構造に活かせると良いですね。棚を柱に接触させたり、植物を載せる台を構造体としてつくるなど、技術的な面と住まい方を合わせて説明できるようになると説得力が増すと思います。

津川恵理

人と植物の関係性への着眼は魅力的ですが、建築の関わり方が薄いようにも感じます。植生のあり方と、建築のあり方、そこに人がいるという関係性を統合できれば、建築が介在するからこそ生まれる関係性を提案できそうです。

馬場兼伸

より戦略的にプレゼンテーションするならば、家族構成は人だけでなく植物の名前や個性も列挙して、人と対等であるような説明だと理解されやすかったでしょう。人にとって床が必要なように、植物にとっては土が必要です。鉢を建築的にスラブなどと一緒に考えて、住宅内の気候の面からも整理すると、より可能性があると思います。