SELECTION
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角崎莉音
Re-construction Daikanyama
Super Jury

「ヒルサイドテラス」や「T-SITE」など、周辺の建物をスケッチしながら、細かいスケールの段差やフレームなどのフラグメントを拾い上げ、代官山の建築の特徴として9つの要素を抽出しました。そのなかでも、特に奥行きのある空間が重要だと考えました。
恣意性を排除するため、30度のグリッドを設定して、樹状の構造で計画しました。正面は階段と幾何学的な床の形状によって、訪れる人を内部に引き込む仕掛けとしています。地下1階と1階は吹抜けで、開放的です。商業空間は入れ子状に店舗が配置されます。

平面

住戸がある4階にも梁が特徴的に現れます。居室空間も30度グリッドに沿って連続します。テラスは梁によってバッファ空間をつくり、外の空間の視界を遮りながらも、関係性を生み出しています。奥行のある共用廊下は、各々の生活がにじみ出し、住民同士の何気ない交流が生まれるよう意識しました。各階の梁は少しずつ異なっていて、その重なりが影を落とし、下階の交流・イベントスペースに居心地の良さをつくり出します。

構造は、代官山には木がたくさんあることに着想を得て、直径300mmの円柱を設置し、30度グリッドの梁によって強度を確保しました。

講評
佐藤淳

CGをよく使いこなしていますね。そうしたツールを十分に扱えるのであれば、どの空間が魅力なのか、伝えるべきところとそうでないところの取捨選択を意識しましょう。そうすると構造的には梁をもっと細くできるはずです。

津川恵理

LUMIONによる空間のつくり込みは完成度が高く、うまくプレゼンテーションされていました。ただ、デザインプロセスについては違和感がありました。大学の課題だから説明しなければいけない、という義務感に捕らわれ過ぎなくても良いと思います。

馬場兼伸

奥行きと合理性の両立がキーワードになっていることがよくわかりました。ただ、代官山の奥性とこの幾何学による奥性は、種類が異なると思います。発想の飛躍に言葉を当てていけると、より地に足のついた提案になるでしょう。