SELECTION
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優秀賞
池田愼登
緩やかに育て繋がる子供食堂
Super Jury

子ども食堂は、建物への入りにくさや地域との連携不足、貧困家庭が周りの目を気にして利用しづらいなどの問題があり、これらの課題を解決する子ども食堂を考えました。

子ども食堂は、内外が分断されて閉鎖的な施設が多いことが入りづらさの原因になるため、四周すべてに軒や庇を設置して中間領域をつくり、内外をゆるやかにつなぎます。

南側の庇と軒下空間は、内部の食堂・多目的スペースの床と同じGL+400mmのテラスを設けて腰掛けられるようにし、子ども食堂への心理的ハードルを下げています。
スロープの先にある北側の軒下空間は、壁面からベンチを張り出して人々が滞在できる場とします。
東側には地域住民や事業者によるバザーやフリーマーケットを開ける半屋外交流スペースを、西側コーナーにはカフェカウンターを設置しました。東西面は、地域との連携をつくり出しながら運営費を補填する場です。
南東側には築山や池を設け、休憩スペースや遊び場としての公園としています。
これらの軒下空間を支える構造は、柱と梁を中心に構成しています。

食堂・多目的スペースは掘りごたつを設け、子どもから高齢者まで長居しやすい空間とするとともに、ベビーカーや車椅子の利用者向けにテーブルを設置します。授乳室は、親子を地域に迎え入れる意識を示しています。キッチンは配膳時に子どもが受け取りやすいよう300mm下げたカウンターを設置し、事務スペースにも地域の相談窓口になるカウンターを設えました。

平面

講評
津川恵理

建てることができそうなレベルの設計です。パースも伝えたいことがよくわかるもので、説得力がありました。屋根伏図は、屋根が少しぽってりとしていて表現に少し違和感がありましたが、パースを見るとシャープで、プロポーションも整っていることがわかりました。

佐藤淳

小屋組がしっかり提案できています。形状的に魅力的で、この長い屋根がどう木で組めるのか楽しみです。現実的な小屋組を考えるうえでは、長い木材を用いるのか、短い木材を組み合わせるのかも検討すると良いでしょう。

馬場兼伸

屋根の表情が豊かでおもしろいです。公園のある南側はマッシブで、通りのある北側は線材で構成されていて、二面性があります。