LECTURE

Super Jury 2021 総評
REPORT

日時:2021年9月25日(土)

ゲスト講評者:
石川初(慶應義塾大学環境情報学部教授)
西田司(オンデザインパートナーズ、東京理科大学理工学部建築学科准教授)
秋吉浩気(VUILD)

進行:佐藤光彦(日本大学理工学部建築学科教授)

石川初

基本的なレベルが高かったと思います。皆さんが設計提案に対して必死に言葉を紡いでいる様子にも心を打たれました。求められているのでやむを得ず賞を決めましたが、これは時の運みたいなもので、結果に一喜一憂する必要はないと思います。課題文に対して鮮やかに応答するだけではなく、そのさらに向こう側を見せてくれているような提案が素晴らしかったです。

西田司

異種格闘技戦のような多様な提案があり、建築的な思考でどう捉えていくかをみんなで一緒に考えていくことができる楽しい講評会でした。クリティークという行為は、未来に向けて行うものです。厳しいコメントもしましたが、それぞれの提案はここで終わりではなく、実際に社会に実装されるまで思考を続けていく材料となることを忘れないようにしてください。

秋吉浩気

私が学生時代の講評会は一方的な評価の押し付けがなされていましたが、今日のSuper Juryは講評者側も一緒になって考えることで、双方向的な柔らかい対話が生まれていたような気がしています。対話を続けることで、社会と建築の接点がより強固になり、提案の解像度をもっと上げていくことができます。仮説をつくり、対話と設計のフィードバックループをできるだけ多く回すことが、提案の発展につながるとともに、社会における自分の強みになっていくと思います。可能性を感じたのは、1年生からRhinoceros、Grasshopperを使っていて、試行錯誤のプロセスを経て提案に至っていることです。そうしたプロセスを同級生や後輩とも共有して、みんなで切磋琢磨していけると良いですね。