LECTURE

Super Jury 2022 総評
REPORT

日時:2022年10月1日(土)

ゲスト講評者:
津川恵理(ALTEMY、東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手)
佐藤淳(佐藤淳構造設計事務所、東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授)
馬場兼伸(B2Aarchitects)

進行:佐藤光彦(日本大学理工学部建築学科教授)

馬場兼伸

どの提案にも個性的な着眼点がありましたし、汎用性をもった手法や仮説が散見されたことも興味深かったです。だからこそ、それをより純度高く煮詰めるとどんなことが起きるのか、徹底して考えてみてほしいと思いました。限られた時間で案を着地させて表現しまとめることは大変なことですが、それを見定めつつも、オリジナルな発見にしぶとくしがみついて捕まえることができるとそれは自分だけの得難い何かになるはずです。皆さんからそれができる意志と健康的なエネルギーを感じました。今後に期待しています。

佐藤淳

造形的にはどの案にも魅力が見出せそうで、私はそこに構造や技術的な要素を絡める視点からコメントさせていただきました。
2年生にはまだ難しかったかもしれないので励ます目線で、3・4年生の案には厳しい目で見てしまいました。みなさんは「シミュレーションができないからわからない」ではなく、「こういうふうになるだろう」という想像はできるはずです。構造や環境・音響・空気などを総合的に考えることは、これからの時代ますます重要です。多様な視点から建築について考え、学んでいってほしいと思います。

津川恵理

多くの学生のなかから選出されただけあって、全体にクオリティが高いことが驚きで、とても楽しませていただきました。近年は出来事や事象、運用などソフト面からのアプローチに多様な取り組みがあり、形に対してのこだわりが薄い時代なのかなと思っていましたが、皆さんの提案を拝見して、建築の形態や物理的な操作に可能性を感じている人がまだ多くいるのだなとうれしくなりました。だからこそ、今日は構造や形態に関するアドバイスもたくさん出た気がします。これから皆さんがどう建築の道を進んでいくのか、期待しています。