SELECTION
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小林直緒
非個室群住居
Super Jury

情報社会の発達や新型コロナウイルス蔓延、多様性の尊重に伴う「個人化」の時代の到来により、個人の選択肢が尊重され、個人にとって自由な時代になった一方で、地域や他者といった外部との関わりは希薄化していっている。そしてこれは個人にとって最も親密な関係にあるといえる「家族」の中でも起こっている。これは社会的な側面だけでなく、建築的な側面でも大きく影響を与えていると考えられる。そこで、現代の住宅の形式、その中でも「個室」の在り方について見直し、これからの時代の家族の在り方に適した新しい住宅の形式を提案する。

1. この作品が生まれたきっかけは?

個人化によって希薄となった家族の関係を住宅の形式からアプローチすることで、少しでも解決できないかなと考えたことがきっかけでした。プライバシーの観点からも閉鎖的空間になりやすい「個室」を解放し、それぞれの諸室を全て等価なものとして扱うことで、住空間が一体となり、繋がりが生まれる。こうすることで、離れていても家族の存在がより近くに感じられるようになり、家族の繋がりをより強固なものにしてくれます。

2.これまでやっておいたほうが良かったと思うこと、もしくはやっていて良かったと思ったことは?

やっていて良かったことは、日頃から気になっていた建築について調べたり、実際に見に行ってみたりすることです。そうすることで建築の知識や歴史、設計手法について学べたり、自分が好きな建築や建築家を発見できたりして、より建築への興味が深まると思います。またそういった積み重ねが後々自分の設計に少しずつ現れてくると思います。

3. 今後の抱負は?

今まで以上に建築に触れる時間、インプットを増やしつつ、アウトプットする機会も少しずつ増やしていきたいです。そのためにも、設計の勉強はもちろん、模型やプレゼンボードの表現の勉強にも力を入れていきたいと思います。

講評
柿木

渦という形態に囚われて解けない部分があったのかなと感じました。外側から中心に向かって一方向のみの関係になってしまっていて、自分が作ったルールにこだわりすぎなくても良かったかもしれません。

御手洗

良くできていて、生活も楽しくなりそうだなと思いました。作ったあとにもう一度発見があると良かったです。住宅の中にギャラリーを張り出してもいいし、ゾーニングを再度検討してみるといいでしょう。

種田

面白い構成だと思いました。個室を制御するには動線と視線のコントロールがあると思うのですが、渦巻は動線のコントロールのみとなっているようです。通路部分の幅についても検討すれば視線のコントロールもできて、もっと面白くなったのかなと思いました。

建築設計Ⅰ 谷中の住宅