SELECTION
  • 1 / 2
  • 2 / 2

仲西風都
Urban Punctum
卒業設計

写真を媒介に渋谷の都市を記述することから卒業設計を始める。撮り溜めた写真の読み込みを都度重ねながら、写真的偶然性を孕んだ発見的な設計手法を用いて均質化に向かう渋谷の都市に裂け目となるプンクトゥムを設計する。想像的余白に富み、観察者と対峙して常に問いを発し続ける建築。造形の根拠を渋谷の空の輪郭に見出し、確かにそこにあった渋谷の記憶を未来へと継承する。

1. この作品が生まれたきっかけは?

写真が好きという個人的なものが創作のきっかけです。写真には元々興味がありましたが、学部4年生の春に写真家の中平卓馬の企画展「火−氾濫」へ訪れた時に、写真家たちの写真に対する情熱に衝撃を受け、僕自身も何かやらないと誰かに求められたわけではないけれど、そう駆り立てられたのを覚えてます。ロランバルトをはじめ時代を振り返れば写真をめぐる数々の言説があって、知れば知るほど写真は面白いと思いました。

2. 普段何をしているときが楽しい?

夕暮れ時にする目的のないお散歩と、野生の美味しい町中華を見つける時

3. 今後の抱負は?

建築家になります。

講評
斉藤

設計を外在的なものに委ねて進めていくというのはわかるが、できたもの自体があまり渋谷的ではないのではと思う。そこはどう捉えているか。

▶︎形ができあがった後にマテリアルや雰囲気で渋谷らしさを出していった。

富永

それぞれの敷地のコンテクストを参照して作ったように見えない。なぜ渋谷のスカイラインを使ってこの街並みをデザインしようと思ったのか。

▶︎最初はただ写真を撮るのが楽しいだけだったが、渋谷の再開発が進んでいく中で、失われていく空の記憶を取り込んでおきたいと感じた。

斎藤

AとBの敷地を一旦合体して、また引き戻すという手続きはよくわからないが、両者の敷地の見えない関係性がそれぞれに現れるということをどう捉えているのか。

▶︎特に内部空間に見えない関係が交錯し合うことで、部屋の中によくわからない空間ができあがる。離れているものを想起させられるようになったらいいなと思った。

内部

偶然できるものが2Dではなく、ボリュームであるのが良いと思う。中くらいのスケールだけが、屋根や鉄骨が見えてきているのが気になる。スケールを決める操作とボリュームが持っている形を定着させるためにしている操作に何かしらの意志があるといいなと思う。

土田

設計手法の提案なのかと思ったが、しっかり最後までデザイン仕切っているのがわかった。街並みのスカイラインが整っている都市である、銀座とか京都とかでも同じようにしたらどんな形ができるのか気になった。

篠塚

すごいパワーバランスの形態だと思うが、Punctumについてプレゼンで説明しないのはなぜなのか気になる。

卒業設計/2024年度