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中藤堅吾
かたちとなかみ
Super Jury
建築設計の過程において、形態の表れに着目した提案をする。手を繋いだ状態を設計のメタファーとして援用し、一般的な設計のように機能から形態を直接結ぶ過程を踏むのではなく、形態を決定するメタファーを用意することで、機能を設計の過程で挿入しながら行う。
1. この作品が生まれたきっかけは?
子ども食堂を地域のランドマーク的な存在として再定義し、単なる支援施設ではなく、地域住民が自然と集まり、つながりを深める場へ発展させたいと考えました。利用者同士や地域全体に社会的な連帯感や共有意識が育まれることを目指したのがきっかけです。
2. これまでやっておいたほうが良かったと思うこと、もしくはやっていて良かったと思ったことは?
写真を撮ることです。
写真を撮るという行為は、単に瞬間を記録するだけでなく、過去の記憶と現在の視点を結びつける行為だと私は考えています。その中で様々な視覚的情報が整理され、ひとつひとつの瞬間が新しいアイディアを生み出す手がかりとなっています。
写真を撮り続けてきたことで、こうした繋がりを感じる瞬間が増えました。改めて「やっていて良かった」と感じました。
3. 今後の抱負は?
建築という枠組みを超え、空間そのものに生命を吹き込むようなデザインを生み出すことです。形態は静止しない記号、光と影は対話する存在として捉え、写真を通じて集めた断片的な記憶を繋ぎ、視覚だけでなく五感すべてに響く空間を創造していきたいです。
建築設計Ⅰ 子ども食堂 -まちの居場所
メタファーをきっかけにここまで造形的にまとめられたのは素晴らしいと思います。子供食堂としてどうなのかという解釈を加えてもう1段階ブラッシュアップするところまでいけたらより良かったですね。
この形態がシンボルになって、使っていく人達も愛着が湧いて、みんなから愛される建築になるというのはイメージが湧くのですが、内部の空間にもその効果が現れるといいですよね。守られているような感じで作っているのだとしたら、とんがっているような印象になってしまっている。形態を空間化するプロセスがあっても良かったかなと。
住宅街からのアプローチがメインだとすると、この造形が細い道を通ってきたときに少しづつ見える人間の視点を気にして欲しかった。
メタファーという言葉を使わずにこの建築の魅力を伝えられるようにすると良いでしょう。