SELECTION
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大木優里花
夢中建築
Super Jury

敷地である羽根木公園はたくさんの夢中で溢れた場所でした。それがなぜなのか疑問に思い、公園の配置計画に着目します。羽根木公園には回遊性、大きな広場、多数の通り道があり、ある場所に行くための手段でありながら目的にもなる空間の連続で成り立っているという分析をしました。この構造をそのまま建築物へと落とし込むことで、人々が思い思いの場所で夢中になれる子供食堂を設計しました。

1.この作品が生まれたきっかけは?

この作品は、ある一冊の本を読んだことをきっかけに生まれました。

初めは内容を自分なりに解釈した上で、自分だったらどんな作品を作れるのかという好奇心でスタディを進めていきました。エスキスを通してそれが公園の配置計画と結び付くことに気づかされました。そこから徐々に深堀をしていった感じです。

2. 建築学科を志望した理由は?

高校生の時に、建築物に対して素朴な疑問をたくさん抱くようになったからです。

私の地元は再開発が進められていて、街が少しずつ変わっていく様子を肌で感じていました。ある時から、どれだけ古い建物でも壊れていないのはなぜか、構造はどうなっているのか、配管など設備はどうなっているのか、といった建物の内側を知りたいと思うようになりました。大学では、ただただ自分の心が弾むことを学びたいという思いから建築学科を志望しました。

3. 今後の抱負は?

私は設計が特に好きなのですが、完璧主義でいつも自分を追い込んでしまう癖があり、特に前期はがむしゃらにやりすぎて体調を崩すこともあったので、今後はより広範囲に目を向けて設計を楽しみながら進めていきたいと思っています。そして、20代だから、学生だからこそできることは何か?を常に考えながら少しずつ少しずつ、成長していきたいです。

講評
柿木

開いたり閉じたりという操作をしたということですが、もう少し閉じることに意識を向けてもいいかと思いました。ガラス面でカチッと境界を分けているので、くぼんだ部分がベンチになってるとか庇が出ているとか、居場所の選択性ということを考えるのもいいでしょう。

御手洗

模型がすごく良くできていますね。最初に自分が実感した第一印象である「夢中」というキーワードから設計を始められたのも良いです。そこから一歩踏み込んでなぜ夢中と感じられたのか、空間特性に丁寧に落とし込んでいく作業がさらに必要。壁柱の使い方として、壁柱自体の厚みや高さなども検討できるとさらに良いでしょう。

種田

夢中になっている人を見てそれに惹かれた人達が広場に集まってくるようなデザイン・視点を持って設計したのかなと思いました。中央の広場がもっと魅力的に見えたらさらに良いと思います。

佐藤

プレゼンがとても上手で、自分の印象を建築用語に言い換えている点に驚きました。壁柱に穴を空けると壁柱の良さが失われてしまうのではと思いましたが、絶妙なバランスで穴を開けていると思います。

 

建築設計Ⅰ 子ども食堂 -まちの居場所