SELECTION
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園部ことみ
HARDCORE
Super Jury

「昨今の建築は建築と言えるのか。」機能的な建物が謳われ、そうでないものが抑圧されつつある現代において、機能的不足がない理想状態「南青山」の建築はどう在るべきでしょうか。

 イデオロギーの相対化や価値観の多様化によって失われつつある人間の生の指針と同様の状況にある建築。2つの指針をアートから見いだし、コアの強固なエネルギーによる再起と新たな社会形成を試みました。

1. この作品が生まれたきっかけは?

 建築史は美術史と通ずるところがあります。たとえば、グロピウスは芸術の終着点は建築であると言い、西洋のアール・ヌーヴォーの動きは建築へと転換されていきました。2つを学んでいくうえで、どちらも死に辿り着き、輪廻していることへの気付きがこの作品のきっかけとなりました。モダニズムは過去を対決すべき対象とし、未視感をもって対処しますが、ポストモダンは過去からのレファレンス、すなわち既視感をもって対処します。ポストモダンの終焉を迎えつつある今、私達は新たなる指針を探さなければならないのです。また、近年の建物は意味を持たないと存在してはいけないような窮屈さを感じる時があり、南青山という敷地は、このような状態の打開を試みる最適な地でもありました。 

2. 普段何をしているときが楽しい?

散歩をしているときです。廃墟や路地裏、野良猫を探して数時間彷徨っています。

3. 今後の抱負は?

模型や図面の精度、伝達力に問題が多い為、改善に努めたいです。また、建築に限らず全ての物事に計画性を持って取り組む事が目標です。

講評
柿木

なにがアートを加速させるのかということがもう少し伝わってくると良いと思いました。

御手洗

建築を加速するということが作品からあまり伝わってこないのがもったいなかったです。もっと住宅を圧迫して良かったと思います。住戸内にベッドしかない、シャワーしかないというようなギリギリの状態を検討してみても面白いかなと思いました。

種田

住戸がかなり狭くて、あまり考えられていないように感じます。共用部から住戸が見えなくてもなにかを予感させるような工夫ができるでしょう。住戸はこの建築の主役ではないことはわかりますが、それでも住戸が存在するのですから、ここについても、あと一歩考えられるといいでしょう。

建築設計Ⅲ 豊かなオープンスペースをもつ複合施設