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谷渕真斗
虚然一体都市
Super Jury
皆が思う健康的なオープンスペース空間に対して疑問を持った。パリ五輪のエッフェル塔のように時代によって価値観が変化する世論を期待して、敷地的特異性である空虚の空間から個人空間と可変性を併せ持つオープンスペースを設計した。成熟した社会において都市の表層を抽出した現代版コラージュシティー構想を提案する。
1. この作品が生まれたきっかけは?
計画敷地の土着性から、明治神宮が情報化社会に対してのボイド空間としての役割を担っていると考え、その空虚的空間を作る建築を考え始めた。
考えていくうちに、豊かなオープンスペースという社会的に当たり前な「みんなが集まる公園のようなスペース」という定義に疑問を感じ、「1人になったり、集まれたりするスペース」というボイド空間の可能性を引き出すオープンスペースを作ろうと考えた。
2. これまでやっておいたほうが良かったと思うこと、もしくはやっていて良かったと思ったことは?
設計課題はどうしても100%完璧な状態で提出したい気持ちが先行してしまい、客観視出来てない事象によく陥ってしまいがちなんですが、完了主義で50〜70%を完成させて、先生方の意見などをコンスタントに受けることが客観視・共感性を獲得出来る方法だと考えます。
3. 今後の抱負は?
造形力は今回の講評会である程度の評価を頂けて嬉しく思う反面、計画と造形のつながりの甘さが露呈する講評会になったと考えます。今後はそのバランスや自身の設計理念の恣意性を建築に「含む、除く」のバランスをコントロールしたり、この建築を通して人々の活動する姿を生き生きと感じれたりする建築を提案できるように活動を続けていきます。
建築設計Ⅲ 豊かなオープンスペースをもつ複合施設
絵としてすごいエネルギーを感じて良かったです。ただ、自我のない建築を目指すといっていますが、本作品には自我がないという点がわかりづらかったです。
アーチが主役なので、組積のイメージでつくっていると思うのですが、それにしては壁が薄いし、模型の密度があまり高くないので、空間を把握するのがちょっと難しいですね。「オープンスペース」と言っているところが、住戸内であるようにみえるところもあって、パブリックとプライベートの境界についてどう考えているのか気になりました。