SELECTION
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非常勤講師賞(齋藤由和・住谷覚)
遠藤美沙
スキマの住みかえー隙間を介した機工商的設計ー
卒業設計

田端新町における機工商による街の作られ方を設計に転用し、機工商を起点にモノづくりの街を回帰させる。既存の建物間の隙間のあり方を設計し、その後既存が建て替わる際に、隙間から建築を考える。

1. この作品が生まれたきっかけは?

まちの活性化に興味があり、地方都市の空洞化やシャッター商店街など、都市に生まれる隙間から卒制を行いたいと構想していました。様々な都市の隙間のなかで、最小単位として建物間の隙間に着眼し、その隙間が田端新町において繋ぎ目という重要な役割を担っていることが分かりました。そこから、隙間を介して街を更新するというこの作品が生まれました。

2.普段何をしているときが楽しい?

美味しいご飯を食べて、美味しいお酒をのんで、大好きな人たちと話しているときが楽しく、幸せを感じます

3. 今後の抱負は?

私がこの卒制で痛感したことは自分の言葉で語れる力の必要性です。卒業設計は別ジャンルの様々なものが競い合いますが、優劣がつけにくいと感じます。(本来優劣がつけられるものではないとは思うのですが)しかし、その中で評価されるのは言語に深みや広がりがあり、構想していたことや空間がしっかり想像できるものだと感じました。

私はその伝えるという点で、自分の言葉にしきれない点があり、そこが今でも悩み苦しんでいるところです。今後は大学院に進学するので、伝えるための言葉としっかり向き合って、自分らしい作品と伝え方を身につけたいと思っています。そしてたくさん良い建築を設計したいです。

講評
富永大毅

隙間に立つものがインフラを備えていて、足場にもなっていて、工事もしやすい。スプリンクラーもついていて、もし火事が起きたら消火もできるとなると再開発の手法としては結構面白いなと思いました。

中山佳子

容積率やボリュームについてなど法規についてどのように考えたか気になりました。

塚田修大

7名の地権者の了承を経て隙間の使い方を決めているとなると、次の持ち主はかなり特殊な土地を購入したことになりますよね。この土地特有の隙間での小さな暮らしをしたいという集いを作って、実現しようとしているので1つの建築の作り方としてありだと思いました。ただ、住むところと工場のスケールは異なるはずなのに、すごく一体感があるのが不思議でした。

須藤剛

最終的な目標がエリア全体の建て替えなのか、建て替えられず残っている部分があってもいいのか、どこまでを想定して提案しているかが気になりました。

住谷覚

足元周りは複雑な空間ができているのが見えましたが、3階以上のレベルについてどのように考えているのか気になりました。

廣部剛司

1街区なのが良いんだと思います。隙間といいながらコアのようなものも作っていて、7つのコーポラティブハウスをバラバラに作ったような感じ。挿入する隙間は設計するけど、それぞれの家はそれぞれで自由にしていいというのが面白いなと思いました。

馬場兼伸

新陳代謝の単位を二分するということをやっているのかなと理解しました。建物単位の新陳代謝から、建物未満の部屋や部材、外装の更新とか。町を減速していくイメージですね。再開発の手法だとすれば汎用性もあるし、色々権利関係など難しいこともあるかと思うけど、おもしろいと思います。

近藤創順

住宅の隙間は空調設備の置き場や採光・通風のために必要という側面もあり、それを全て埋めてしまったときに室内環境などはどのようになるのかという点が気になりました。

卒業設計/2023年度