SELECTION
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非常勤講師賞(富永大毅・仲條雪)
小林由実
群景ー群像劇的空間のための習作ー
卒業設計

世界は群像劇である。 本研究では群像劇映画におけるシーンを建築の断面と読み替え、断面の記譜とその重なりによる空間生成を行った21の習作とその総体である習作モデルの作成、またそれを元に映像設計を行なった。

1. この作品が生まれたきっかけは?

私は劇場で作品を鑑賞すること、また私が何かを魅せることにとても魅力を感じていました。そんな劇場の中でしか体験できないことを建築の空間にしたいと思い、群像劇というものに着目しました。

2.普段何をしているときが楽しい?

元々ずっとスポーツをやっていたので体を動かすことが好きです。今でも時々自分のいたチアリーディングのチームの練習に参加しています。

3. 今後の抱負は?

これから自分らしく建築と向き合っていこうと思います。

講評
須藤剛

習作というからには本番を期待します。この群像劇を建築化することのゴールがどういうものなのか。例えばこれに機能を入れるとしたらどういうことが言えるのかなというのが気になりました。ショッピングモールだとしたらどうなるのかなとかね。

富永大毅

建築の記述方法と建築の作り方を両方説明しているのがすごく面白いと思いました。断面をまず記述して、それを重ねてクロスさせるとこんな群像が生まれるということなのですが、そこで出来上がった群像をもう一度X軸とY軸で説明できると最高に面白いと思います。

小野志門

手法的にとても興味深いのですが、サイズ感などの決め方が気になりました。このような手法はプロセスがすごく大切だと思うので、何度くらい作って戻ってをくり返しているのかが気になりました。

下川太郎

群像劇というのはそもそも大きなひとつのシナリオがあって、そのプレゼンテーションとして「群像で見せる」ということだと思います。この作品に関してはそれが逆で、群像が先にあって全体性が後付けになっています。群像というからには1つのシナリオが見えたほうが群像劇らしいのではないかと思ったのですが、それを意図的になくしているという点が気になりました。先の読めないものが積み上がって出来上がったものを完成とするということはわかりますが、今後これを応用して建築を作っていくときに、やはり目的が建築となるのは全体性が先にあるということになるのではないかと思いました。手法としては面白いと思います。

内部美玲

形態を決めるパラメータの選び方が気になりました。

馬場兼伸

例えば大きなワンルームで人々が思い思いに過ごしているというシーンも群像劇的だと思うのですが、この作品は人が歩きながら色々な体験をするということを群像劇的に捉えています。私が考えていたワンルーム的群像劇とは少し異なるなと感じました。歩いている中で見え隠れする景色の作り方について、歩行の速度や進路の切り替えなど、どのような設定で考えているの補足があると理解しやすいと思いました。

横井創馬

群像劇をやりたいのか、群像っぽいものをやりたいのかで変わってくると思いました。群像劇的になるためには、何かしら機能や個々の物語が同時並行的に起こるべくして起こるきっかけのようなものがないと私としては腑に落ちない点があります。

卒業設計/2023年度