SELECTION
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大塚達哉
鬩ぎ合い、交じり合い、揺さぶる建築-都市のハザマに住まう
Super Jury

計画敷地で感じた窮屈さを様々な事象の“対立関係”と捉え、それらの共存方法を考えた。複数の対立をリズムよく表現した空間が豊かな体験を提供できるのではないか。都市型の集合住宅では壁1枚隔てているだけなのに距離が感じられるため、従来の住宅と共用部の関係を反転させ新しい集合住宅の関係性を考えた。

1. この作品が生まれたきっかけは?

私にとって設定敷地の南青山という地は、萎縮してしまう場所でありました。実際に街並みは雑然としていて、あまりに統一感がなかったのです。その窮屈さこそが「賑わい」ともいえ、そんな賑わいは南青山に潜む対立関係を表しているように思えたのです。南青山には個性的な多くの対立が存在するのですが、建物を建てる際には対立の解決法が重要で、二者択一で解決される必要はなく、複数の対立をリズミカルに表現したデザインや建築が豊かな体験を提供するのではないかと考えたからです。

2.これまでやっておいたほうが良かったと思うこと、もしくはやっていて良かったと思ったことは?

先輩の紹介で早くに個人設計事務所に入っただけでなく、組織設計事務所など色々なバイトを経験しました。技術面もそうですが、実際の建築の職場の雰囲気を知ることができ、とても刺激を受けました。その反面、アトリエで働きたいと思えるきっかけにもなりました。何も知らずにアトリエに行きたいと語るのではなく、いろんな場をまず知ること。憧れだけで決めるのではなく、自分で実際に色々経験することの大切さに気づきました。

3. 今後の抱負は?

自分の造形力を信じて設計していきたいです。今はまだ知識量も少ないですし、造形力があるわけではないです。でも自分の建築が嫌いなわけではありません。カタチにこだわり続けているせいか、自己満となりがちではありますが、自分の建築の形態がその場にあることによってそのカタチからしか生まれない効果があるんだと言えるような提案をしたいです。

講評
伊藤暁

建築が建築のために存在しているっていうのはどう回避すればいいのか疑問に思った作品でした。

岩瀬諒子

頭では理解できる面白さを備えていて、チャレンジングで思考実験的な建築として捉えました。ただその一方、これを今作る意味とか、何に向かっているのかなということが気になりました。

藤貴彰

こういうものがあったら、この中に入ってみたくなるのかなぁと思って見ていました。断面を切ったらいろんなところで共存しているように見えるけど実は一切接していないという不思議な状況を作り出しているのですが、もう少し接続している部分について意識的になっても良かったかなと思います。