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桜建賞・非常勤講師賞(須藤剛・廣部剛司)
妹尾美希
モノの住所「我思う、そのたび世界在り。」
卒業設計
物には自己の感性や愛着が投影されています。私は、手元を見つめる視点から都市を俯瞰する視点までのスケールで建築をモノ化する設計をしました。都市・街・住宅を物のように愛し、使いこなす世界を創造します。
1. この作品が生まれたきっかけは?
設計において、私はいつも部分から全体を考えていくのですが、その「部分のスケール」を横断してみたいという思いから生まれました。
2.普段何をしているときが楽しい?
漫画を読んでいる時が楽しいです。
3. 今後の抱負は?
自分のやりたいことに向かって、今やるべきことを真面目にコツコツ積み重ねていきたいです。
卒業設計/2023年度
この作品によって、妹尾さんの捉えられる建築の世界が塗り変わっていくということだと理解しました。プレゼンで示されている範囲以外にも変わった見え方が広がっていくという世界観がもう少し表現できているといいと思いました。
私は、事物の配列には3段階くらいあると思っています。ストラクチャー、レイアウト、コンポジション。ストラクチャーはその名の通り、ストラクチャーで、レイアウトは隣のモノ同士の隣接関係だけで非常に部分的な話です。コンポジションはルールという言葉があるようにそれが全体性にも部分的にも使われる融通のきく概念だと思います。
私は、妹尾さんがレイアウトを重視した建築を作ろうとしていると思いました。その点も面白いのですが、さらに上手いなと思う点は、新築を建てている部分でメイン構造のストラクチャーがあるのに、それを見えないようにしている点ですね。レイアウト性しか目がいかないようにコントロールしているバランスの良さが素晴らしいと思いました。
地球は大きくて捉え所はないし、全然離れたものに感じてしまうけれど、自分が手が届く範囲から考えていくことで大きなものまで捉えることができるということを妹尾さんなりに考えて建築にしたということがすごくいいなと思いました。地球までこの建築がアクセスできるとすると、そのアクセスする手法は見えているのかなという点が気になりました。
楽しそうにやっているように見えて模型を見ても全然そうは感じなかった。何故かというとルールがないから。でも妙に惹かれるのは彼女が自分で感知できるスケールや手に届くものに徹底して作っているからで、それが場所ごとに繋がった結果がこれであって、1番大きいスケールは何と言われても特にはない。人として、建築とどう向き合って戦ったかという成果がこれだと見るとすごく面白いと思いました。
モノの輪郭を設定することを創作とし、そこから何を取り出し、どういう関係に再配置するのかということに創作の視点を持っているということが伝わりました。単位の設定にルールでなくてもいいので、癖や思考など、どのようなことを意識して設計しているという点はもう少し開発の余地があると思いました。
デカルトの話のように、一旦今までのものをリセットして、自分がわかるものから設定していくという考え方だったらわかるのですが、世界が先行するとなんで建物を一つのモノとして扱わないのかと疑問に思ってしまいました。建築未満のサイズ感でしか物を扱っていないのではないかと。逆に、自分の見えている世界を記述しましたという説明のほうが私としては理解しやすいです。