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杉田稜馬
いきものを照らす灯台
Super Jury
谷中の生き物に目を向け共存できる空間を。観光客が増えて発展している谷中エリアだが、谷中本来の落ち着きや緑豊かな良さが生かされてないのでは。森を照らすための灯台のようなシンボルになる住宅を設計する。
1. この作品が生まれたきっかけは?
この作品が生まれたきっかけは、谷中らしいプログラムとして野良猫(地域猫)の保護施設をつくりたいと考えたところから始まりました。実際、そのプログラムはかなりサブになっていますがその案から、以前から好きだった建築家の山田紗子さんの自邸の木々を参考に、森がメインとなる作品をつくろうとしたのがきっかけです。
今思うと最初は課題である住宅のことはあまり考えず、ただただ周りの森を設計しようとしていました。しかし、エスキスをしてくださった先生のおかげで建築とは何か?というものに向き合うことができ、都会なのにも関わらず森に囲まれて生活出来る住宅を設計することができました。
2. 建築学科を志望した理由は?
実をいうと、大学・学部を決める直前まで建築学科にはまったく興味がありませんでした。選んだ理由も自分がいける一番就職が良さそうなところを選んだだけでした。ただ、今は建築の面白さの沼にハマってしまっています。たまに、奥深すぎる学問で選んだことを後悔することもありますが、建築学科を選んで良かったと心から感じています。
3. 今後の抱負は?
スーパージュリーで先輩や同学年の発表、また建築家の方々の講評を聞き、自分の考えの浅はかさに気づかされました。先輩方のようになれるよう、今後は建築や人の暮らしについて日々アンテナを張り、勉強していきたいと思います。
住宅以外のプログラムの決め方が気になりました。2階部分にカフェを持ってきていたということは外部との交流が望めないのではと思いますが、そこは動物に重点を持ってきたという点で潔い。
動物が何を良いと思うかは評価できないので、森を建てたという部分では動物にとって良い環境かもしれません。ただ、自分が動物をどう見るかという視点ももちろん大切だけれど、動物が建築をどう見るかという視点は持っていた方がいいかなと思います。動物のために建てるというより、動物と人間の関わり合い方をデザインするという方向性にシフトしたほうが設計したという部分がもっと出るかなと思いました。
生き物が建物に寄ってくる仕掛けはないのかなと気になりました。中と外を仕切っているものがガラス以外のなにか他の素材でも良い気がします。生き物の拠り所となるような設えや住み着くようなデザインがあるといいですね。広域な植物分布などを調べてこのエリアの動植物の特性をリサーチできているとより幅が広がったと思います。