Super Jury 2025 ショートレクチャー
工藤 浩平(工藤浩平建築設計事務所)
REPORT
僕は3つの学校で建築を学んできました。最初は秋田の高専、その後東京電機大学に編入し、卒業後、東京芸術大学へ進学しました。SANAAで5年ほど修行して2017年に独立。ちょうど今年で8年が経ちました。
今は工学系の建築学科と美術系の建築学科を横断しながら教育活動もしています。今日は学生の皆さんに、普段学んでいることが社会とどういう風に繋がっていくのか実感してもらえたらと思っています。
保育園の遊具
小さなスケールのお仕事から紹介します。川崎市生田で制作した保育園の遊具です。サクラとかバーチといった家具に使う広葉樹と杉などの針葉樹をつかって作っています。子供にとっては建築的なスケールですが大人にとっては家具みたいなスケールでその中間的な空間を作れないかなと思ってデザインしました。
竹の湯別館/2022
これは銭湯の別館だったコインランドリーをワインバーに変えたプロジェクトです。今日ご一緒している田中元子さんが運営している喫茶ランドリーのそばにあります。銭湯をモチーフにしているので、カウンターのところまで水色で塗りました。一緒にお風呂に入ってお酒を飲んでいるような雰囲気のコミュニティの場をイメージしています。
これは2021年に町田駅前で行った社会実験で、1ヶ月限定で道路をリビング化するということをしています。これからモノレールができる場所で、「まちだの未来、実験中。」と題して実証実験を行う仮設の空間をつくりました。
鵜川みんなの番屋(進行中PJ)
秋田と東京の2箇所に事務所を設けて活動しているので、住宅のプロジェクトも秋田と東京それぞれで行っています。今は能登にも通ってみんなの家を作っていますし、少し話題として取り上げていただいた万博の休憩所のデザインもさせていただきました。
盆宿U/2025
今年完成した秋田の蔵を改修して文化交流施設にしたプロジェクトです。日本三大盆踊りというのがあって、秋田県の「西馬音内盆踊り」、岐阜県の「郡上おどり」、徳島県の「阿波おどり」のうちのひとつ西馬音内盆踊りが有名な秋田県羽後町(うごまち)にある建物です。700年前から続く盆踊りと、約180年前の江戸時代に建てられた建物をホテル、サウナ、飲食、地域福祉などの機能を備えた複合施設として生まれ変わらせる計画です。
内蔵(うちくら)といって昔ながらの約100mくらいある大きな長い蔵が4棟あり、それぞれをラウンジや宿泊施設、サウナなどにしています。蔵に泊まるということですごく魅力的な太い梁など内装は手を入れず、現状の法規に合わせたり、宿泊施設として活用するための設えに改修しています。
最後は渋谷の高層ビルのプロジェクトをご紹介します。ちょうどCAt設計の渋谷ストリーム、隈さん設計の渋谷スクランブルスクエアがあるエリアの一角で指名コンペがあって、三菱地所設計さんと東急設計さんと一緒に基本設計に取り組んでいます。大きい渋谷と小さい渋谷、ちょっとサブカルも入ってきてという文化の混ざり合いをいくつかの層で表現して低層階を作っています。6年後に完成するので楽しみにしていてください。こんな感じで、小さな家具のようなものから、古い歴史的な物をリノベーションしてまちづくりに参加したり、国家プロジェクトである万博にも参加できました。いろんな場所と条件の中で建築がどういうことができるのかということを考えながら活動しています。