
本杉研究室

所属教員:本杉省三特任教授
論理的な視点と分析、そこからの研究、そして設計を
知識がなければ知恵も付かない。研究は、着想/思考/検索/読解/分析/交渉/表現能力などを高め、プログレッシヴな自己開発に挑戦する練習場です。建築は、社会的な文脈の上に成立するものですが、同時に文化的な成果であり、論理的な思考と説明しがたい美的感覚の合成体です。まず論理的な視点/分析によって問題解決の糸口を見つけ出す研究に取り組み、その基礎の上に論文をまとめる、設計を提案することが求められます。さまざまな事柄に関心をもち、夢や希望をもって研究を行おうとする気持ちは大切ですが、具体性に欠ける内容、やりたいこととできることの区別ができない態度は認められません。
●研究テーマ
以下の内容に基づくものとします。研究を通して、文化や生活環境の問題を考えることが目標です。
- 1.文化施設の利用と活動(機能/評価/経済など)
- 2.ライフスタイルの変貌と空間(安心/非血縁/共同など)
- 3.50年後の社会から建築を考える
- 4.文化施設の改修履歴から考える建築計画
- 5.ビルディングタイプの源流
●研究の進め方
試合は楽しく、練習は辛いものです。自分にプレッシャーを与え、目標を立て、自主性と行動力によって取り組むことを求めます。
第一段階:現状理解の上に立った問題点の絞り込みを行う。まず研究計画(方法/スケジュール/予想される結果など)を立案、課題にアプローチし、研究計画の妥当性を繰り返し検討することで解決すべき問題の焦点と方法を明らかにする。
第二段階:計画を実行、結果の見通しを付ける。ここで問題の輪郭をしっかり浮かび上がらせることができて初めて設計/論文に結び付く建築的課題が明らかになる。終了時にペーパーで経過を公表する。
第三段階:得られた成果を踏まえ、さらに研究を深化させる。論文は、調査/研究資料の詳細な整理/分析を行うことで考察をまとめ、設計は、図面/模型などで構想を具体化する。
第四段階:研究をさらに発展、精査した内容としてまとめる作業を行う。論文提出者は、A4/6~10枚程度に研究のコア部分をまとめ、設計提案者は本として提出する。


オペラハウス、劇場、コンサートホール、多目的ホール、芸術文化環境、施設活動評価、地域文化活動、文化施設運営
本杉 省三 [特任教授] / Shozo Motosugi
一級建築士/工学博士(日本大学)
1950年、神奈川県横浜市生まれ。鎌倉学園鎌倉高等学校卒業。1972年、日本大学大学院理工学研究科修士課程修了。1972年、日本大学理工学部助手。1977〜1981年、文化庁文化部嘱託・非常勤職員(第二国立劇場設立準備調査担当)。1981〜1983年、ベルリン自由大学演劇研究所留学、ベルリン・ドイツオペラ及びシャウビューネ劇場特別研究員、 DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生。1999年、日本大学理工学部教授。
