日本大学理工学部建築学科
 Department of Architecture. Nihon University College of Science and Technology. 

日本大学理工学部建築学科 駿河台キャンパス
101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14
Tel 03-3259-0724(教室事務室)
E-mail www-admin@arch.cst.nihon-u.ac.jp

 
第18回目のオウケンカフェは、1月28日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、ファブラボジャパン発起人の田中浩也さんです。田中さんは日本人ではじめて、マサチューセッツ工科大学の名物講義”How to Make (Almost) Anything(ほぼ何でもつくる方法)”の修了者となったのち、日本とアジアのファブシティー(ファブラボが顕在する都市)を推進する中心人物として活躍中です。ファブラボとは、3Dプリンタやレーザーカッターといった電子工作機械に注目が集まりがちですが、それだけでなくデジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、実験的な市民工房のネットワークです。個人による自由なものづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指しています。現在は世界17カ国で展開され、その多くが発展途上国であるところも特徴です。また日本では、田中さんの拠点である鎌倉をはじめ、都内では渋谷、最新では広島など、全国12カ所で展開されています。今回のオウケンカフェでは、田中さんご自身や研究室でのご活動はもちろん、田中さんが21世紀のファブ(ファブリケーション=製造の略)を通して見通す未来について、レクチャーしていただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
田中浩也(ファブラボジャパン発起人/慶應義塾大学環境情報学部准教授)
1975年生まれ。京都大学総合人間学部卒業、東京大学大学院工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)。東京大学生産技術研究所助手などを経て、2005年、慶應義塾大学環境情報学部専任講師。2008年、同准教授。2010年、米マサチューセッツ工科大学(MIT)建築学科客員研究員。経済産業省未踏ソフトウェア開発支援事業・天才プログラマースーパークリエイター賞(2003)、グッドデザイン賞新領域部門など受賞多数。著書に『SFを実現する 3Dプリンタの想像力』(講談社現代新書)がある。新しいものづくりの世界的ネットワークであるファブラボの日本における発起人であり、2011年には鎌倉市に拠点「ファブラボ鎌倉」を開設した。
http://fablabjapan.org
http://fab.sfc.keio.ac.jp

 
第17回目のオウケンカフェは、12月17日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、渋家の齋藤桂太さんです。渋家とは、渋谷にある一軒家。ここに現在、40人超のメンバーが入居しています。あるメンバーは定住し、あるメンバーは他に家があるなど、入居スタイルは自由。さらに固有スペースは一切なく、家全体が共有部分です。敢えてルールを最小限にとどめ、いつ誰が来ても受け入れることをモットーにしています。これまで3度の引っ越しを行い、渋谷駅周辺を点々としながら借りる家を大きくし、現在進行形で変化を続けています。今年で6年目を迎える渋家は、齋藤さんが20歳のとき、“現代社会の価値を再設計するため、そのプロトタイプとして「都市の民家をシェアする」アート活動”としてはじめたもので、シェアハウスではなく、コミュニケーションを主体とした「場所」であり「集団」、さらに齋藤さんの「作品」でもあります。今回のオウケンカフェでは、アーティストである齋藤さんの視点を通して、渋家のあゆみから現在、そして今後の展望を中心に、また齋藤さんご自身のご活動や考え方についてもお話しいただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
齋藤桂太(渋家/アーティスト)
20歳のとき、現代社会の価値を再設計するため、そのプロトタイプとして「都市の民家をシェアする」アート活動を開始。その活動は後に、プロジェクト参加者より「渋家」という名前を与えられ、現在も40名を超える所属メンバーにて運営されている。「人と人のコミュニケーションからコンテンツを生み出す文化事業」をコンセプトに、そこに集うメンバーとともにさまざまな作品、企画、展示、イベント、プロジェクトなどを製作。主な作品に、「渋家トリエンナーレ」(3rd house、2010)、「Village project HOUSE 100」(The Conteiner、2012)、「After Nuclear Family」(TRANS ARTS TOKYO、2012)、「Owner Change」(ART FAIR TOKYO、2013)など。2013年、東京文化発信プロジェクト発行の書籍「東京の条件 BOOK2 TAble ~公共は机上か~」の編集を担当。近年は美術や演劇などを使ったアート活動、および日本という国家が孕む固有の問題を、独自の視点で観察し、活動している。
http://shibuhouse.com

 
第16回目のオウケンカフェは、11月26日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、日常編集家のアサダワタルさんです。アサダさんは、2009年から「住み開き」と名付けたアートプロジェクトをはじめています。「住み開き」とは、自宅を代表としたプライベートな生活空間などを、本来の用途以外のクリエイティブな手法で、セミパブリックなスペースとして開放している活動、もしくはその拠点のことです。それらは、「アートを実践する/アートに触れる」という行為が、具体的な「モノ」としての作品をつくる行為や、美術館や映画館やライブハウスや劇場に訪れるという行為だけではないことの現れだと、アサダさんは考えました。もっと日常生活に近いところから、人や街に対して何らかのユニークなアクションを仕掛けていく。「住み開き」をはじめとする、このようなアサダさんの行為や出来事のとらえ方は、この時代の建築を考える上で重要なヒントを与えてくれることでしょう。新しく物理的な「モノ」をつくることではなく、日常を再編集することにより、新しい状況や場をつくり出す。そのために、日常や街、あるいはコミュニティに向けて、どのような視線を持ち、どのように音楽や美術などのメディアを使って表現するのか。また、その表現をどのように仕事に繋げるのか。そんなアサダさんの考え方と活動をレクチャーしていただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
アサダワタル(日常編集家)
1979年、大阪生まれ。文筆・音楽・プロデュース・講師業。滋賀と東京にてオフィス「事編kotoami」主宰。芸術、福祉、地域政策、教育、住宅など多領域を横断し、既存のコミュニティにおける“ふつう”に対して新たな価値観・コンセプトを提唱する。主な著書に『住み開き 家から始めるコミュニティ』(筑摩書房)、『コミュニティ難民のススメ 表現と仕事のハザマにあること』(木楽舎)、『アール・ブリュット アート 日本』(平凡社、編著)など。共同通信社や雑誌『ソトコト』などで連載。2013年、ドラムを担当するSjQ++がメディアアートの世界的な賞である「アルス・エレクトロニカ」にて準グランプリ受賞。NPO法人ココルーム副代表理事、ボーダレス・アートミュージアムNO-MA懇談会委員、KBS京都ラジオ「Glow〜生きることが光になる〜」パーソナリティも務める。神戸女学院大学、立命館大学の非常勤講師を経て、現在、滋賀県立大学大学院博士後期課程在籍。
http://kotoami.org

 
第15回目のオウケンカフェは、10月29日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、医師の坪倉正治さんです。坪倉さんの専門は血液内科であり、3.11以降は週の半分を南相馬の病院で過ごしています。建築が社会の営みを普遍化する作業とするならば、医療もまた社会の営みと密接な行為です。坪倉さんの特異点は、震災復興に対して、医療の現場を通して4年に亘り継続的に関わってきたこととともに、電子マガジン「シノドス」や「ゲンロンカフェ」のトークイベントなどで情報を発信してきたことにあります。また、震災復興においては社会の縮図とも言える課題が山積しており、日本や東京の未来を考えるにあたり、建築やまちづくりの視座に置き換えても示唆に富む状況があります。今回のオウケンカフェは、そんな坪倉さんの活動を自ら紹介していただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
坪倉正治(医師/東京大学医科学研究所研究員/南相馬市立総合病院非常勤医)
1982年、大阪生まれ。2006年、東京大学医学部卒業。2008年、帝京大ちば総合医療センター第三内科(血液)助手。2010年、都立駒込病院血液内科医師。2011年、東京大学医科学研究所研究員、南相馬市立総合病院非常勤医。2012年、相馬中央病院非常勤医。
http://synodos.jp/authorcategory/tsubokuramasaharu
http://apital.asahi.com/keyword/author.html…
http://globe.asahi.com/breakthrough/2014051500002.html

 
第14回目のオウケンカフェは、9月24日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、現代美術家の北澤潤さんです。北澤さんは現代美術のフィールドで活躍するアーティストですが、その活動を見ると、建築家たちがやってきたことと大きな違いがないように思えます。行政、教育機関、医療機関、企業、商店街、町内会、NPOなどと恊働しながら、国内外各地で人びとの生活に寄り添うアートプロジェクトを実現し、社会に創造的なコミュニティが生まれるきっかけづくりに取り組む。そんな北澤さんのプロジェクトたちは、継続することで活動が日常に浸透し、地域の生活文化として営まれていくことを目的としています。それらは、まさに北澤さんの手による建築と言えるものであり、日常性に問いを投げかける場を地域の中に開拓するアーティストならではの手法は、これからの建築を考える上で重要なヒントを与えてくれることでしょう。今回のオウケンカフェは、そんな北澤さんの活動を自ら紹介していただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
北澤潤(現代美術家/北澤潤八雲事務所)
1988年、東京都生まれ。現代美術家。北澤潤八雲事務所代表。東京藝術大学美術学部博士後期課程在籍中。2010年、筑波大学芸術専門学群構成専攻総合造形領域卒業。2012年、東京藝術大学美術学部先端芸術表現専攻修了。代表的なプロジェクトに、不要な家具を収集し物々交換することで変化し続ける「居間」をつくる《リビングルーム》や、仮設住宅のなかに手づくりの「町」をつくる《マイタウンマーケット》、地域の空き部屋を太陽光発電の「ホテル」に変える《サンセルフホテル》などがある。
http://www.junkitazawa.com

 
第13回目のオウケンカフェは、7月23日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、ブルースタジオの大島芳彦さんです。大島さんの肩書きは、あるときは建築家、またあるときは不動産業、そしてリノベーションの先駆者。しかしそのどれとも言い切れない、独特な活動をされています。学生時代から米軍ハウスに自分で手をかけて、友人とシェア生活を送り、独立後は国内で先駆けてリノベーションを手がける建築家として活躍。また、父親が展開していたビルの賃貸や管理といった不動産業も受け継ぎ、不動産、建築、リノベーションといった領域の壁を飛び越えた、これまでにない職能を展開しています。そんな大島さんのトータルメッセージは、建築の使われ方にフォーカスすること、そして「物件」を「物語」にしていくこと。最近では新築の賃貸アパートも複数竣工し、入居者や地域住民たちのコミュニティづくりまで手がけています。今回のオウケンカフェでは、日々全速力で疾走する大島さんの多彩な活動と、そこにある思いや哲学についてレクチャーしていただきたいと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
大島芳彦(建築家/ブルースタジオ)
武蔵野美術大学建築学科卒業。米国Southern California Institute of Architecture(SCI-Arc)に学び、1998年、石本建築事務所入社。2000年よりブルースタジオにて建物ストックの再生「リノベーション」をテーマに建築設計、コンサルティングを展開。活動域はデザインに留まらず不動産流通、マーケティング、ブランディングなど多岐にわたる。ラティス青山、芝浦などの大規模都市型コンバージョンや住棟単位の大規模団地再生プロジェクトなどを手掛ける一方で、エンド向けに物件探しからはじめる個人邸リノベーションサービスも多数展開。近年では地域再生のコンサルティング、講演活動で全国各地に足を運ぶ。明海大学不動産学部非常勤講師。
http://www.bluestudio.jp

 
第12回目のオウケンカフェは、6月25日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、きっかけ屋・一級建築士のいしまるあきこさんです。いしまるさんは、建築の設計だけではなく、企画・映像・写真・文章を通じて、さまざまな“きっかけ”づくりをしています。たとえば、賃貸物件を好みに合うように自分でリノベーションしてしまうセルフリノベや、間取りに関するレクチャー・ワークショップの講師を全国各地で行っていて、一般の方々の興味と建築をつなぐ“きっかけ”をつくる活動をしています。その他、古民家の改修や、アーティストマネジメント、ラジオ・テレビの番組企画・制作も行っています。また、今年から日本建築学会の会誌「建築雑誌」にて、名建築を支える名オーナーへのインタビュー記事の連載がスタートしました。今回のオウケンカフェでは、そんないしまるさんの多彩な活動についてレクチャーしていただきたいと思います。
 
いしまるあきこ(きっかけ屋/一級建築士)
1978年、生まれ。2003年、東京理科大学大学院建築学専攻修了。2002~12年、「同潤会記憶アパートメント」主宰。2003~05年、K計画事務所勤務。2006~11年、「いしまるあきこ」主宰。2011年~、「いしまるあきこ一級建築士事務所」主宰。2012年~、「Re1920記憶」「リノベ女子」主宰。2013年、セルフリノベプロジェクト「つくるーむ」発表、「マンくみ」ディレクター。2014年〜、日本建築学会「建築雑誌」編集委員、日本建築家協会「トーク委員会」委員。
http://ishimaruakiko.com

 
第11回目のオウケンカフェは、6月4日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、建築家の中川純さんです。中川さんは、難波和彦・界工作舎勤務に2006年まで所属、その後に独立した若手建築家です。実作に「箱の家ではない」「GPLの家」「東京大学工学部屋上実験装置」など。昨年、自邸「15Aの家」がSDレビュー2013に入選。「小さな仕事の中に、現代のさまざな課題を埋め込もうとする努力。「15Aの家」には、紆余曲折した経歴が埋め込まれている」という難波和彦さんによる批評が、中川さんの建築に取り組む姿勢を象徴しています。環境と建築、エネルギーと建築の関係についてお話していただけると思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
中川純(建築家/レビ設計室)
1976年、神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、難波和彦・界工作舎勤務。2006年、レビ設計室開設。2014年〜早稲田大学大学院修士課程田辺新一研究室。
http://njun.jp

 
第10回目、今年度最初のオウケンカフェは、4月30日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、さまざまなメディアで紹介され、その活動が注目されている建築家であり、ランドスケープデザイナーでもある坂下加代子さん。坂下さんは2002年に大学院を修了後、2年間ドイツに遊学。帰国後、大学院時代の仲間とともに設計事務所「中央アーキ」を設立し、若手建築家の登竜門といわれるSDレビューに05、06年と2年連続で入選を果たして注目を集めました。最近では、都心の商業地に位置する「神宮前ビルディング」や、建築が完成するまでのプロセスを書籍化する「7inch Project」などの活動も話題になっています。今回のオウケンカフェでは、そんな坂下さんのさまざまな取り組みを紹介していただけることと思います。みなさま、ぜひお越しください。
 
坂下加代子(建築家/中央アーキ)
1976年、和歌山県生まれ。1999年、大阪芸術大学芸術学部環境計画学科卒業。2002年、東京理科大学理工学研究科建築学専攻建築設計学修士課程修了。2003年、中央アーキ共同主宰。2007年、横浜国立大学大学院/建築都市スクールY-GSA設計助手。2008年~東京理科大学理工学部建築学科助教。2011年~東洋大学理工学部建築学科非常勤講師。2012年~7inch Project編集長。著書に「新スケープ 都市の異風景」など。
http://www.chuoarchi.com
http://777iiippp.com

 
第9回目は、3月26日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、プレイワーカー・地域コーディネーターの星野諭さんです。星野さんは日本大学理工学部建築学科在学中に地域活動団体「子どもと一緒にデザインしよう会」を立ち上げ、空き家を改装した子ども基地や子どもの参画によるまちづくり、子どもイベントや遊び場づくり、絵本や遊具の制作、幼・小・中・高・大学の授業、全国の若者の人材育成などを実施してきました。NPO法人コドモ・ワカモノまちing設立後は、都内を中心に主0~20代の子ども・若者を対象に、遊び・教育・環境・防災・建築・福祉・食・まちづくりなど、さまざまな世代・分野・地域が共感・共楽・共働するまちづくりを実践しています。また、東日本大震災以降、復興支援活動として、改造したプレイトラク&プレイキッチンカーで東北をまわり、地元のNPOや住民、ボランティアとともにまち全体を遊び場・学び場にする「移動式子ども基地」や「遊び場づくり」、「子どもイベント」を開催しています。さらに、長野県の限界集落でも林業・農業・建築などコミュニティビルドの活動を続けています。そんな星野さんの活動は、建築を学んできたからこそ実現している「場づくり」であり、これからの建築を考える上で重要な示唆を与えてくれることでしょう。ぜひ、お越しください。
 
星野諭(プレイワーカー・地域コーディネーター/コドモ・ワカモノまちing)
1978年、新潟県妙高高原町(現妙高市)生まれ。2003年、日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修了。2001年、学生15人で地域活動団体「子どもと一緒にデザインしよう会」を立ち上げる。2008年、NPO法人コドモ・ワカモノまちing設立。2009年、まちづくり財団の日本のまちづくり人の認定を受ける。
http://www.k-w-m.jp

 
第8回目は、3月5日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、建築家の末光弘和さん。末光さんは、伊東豊雄建築設計事務所に2006年まで所属された後、独立した若手建築家です。風・水・熱など、目に見えない自然環境を可視化しながら自然循環系と建築の関係をつくり出す、環境の時代にふさわしい新しい建築のあり方を目指しています。昨年、開催された展覧会「自然循環系の一部としての建築」では、環境シミュレーションによって可視化された表面温度や風の流れなどを、模型やパネルにより建物と一緒に表現した模型や図面が展示されていました。前回のオウケンカフェのゲスト、建築家の竹中司さんと岡部文さん(アンズスタジオ)とのコラボレーションも進行中。シミュレーションや実験を反復し、手探りで環境に向かう姿勢の先に、どのような建築や社会をリアライズできるのか。ぜひ、お越しください。
 
末光弘和(建築家/SUEP.)
1976年、愛媛県松山市生まれ。1999年、東京大学建築学科卒業。2001年、東京大学大学院修了。2001-06年、伊東豊雄建築設計事務所(主にヨーロッパ・シンガポールなどの海外プロジェクトを担当)。2007年、SUEP.設立。2009-11年、横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手。2014年4月より日本大学大学院理工学研究科建築学専攻非常勤講師。
http://www.suep.jp/SUEP.

 
第7回目は、1月29日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。今回のゲストは、建築家の竹中司さんと岡部文さんです。竹中さん、岡部さんは、コンピュテーショナル・デザインを設計に取り組む、日本におけるパイオニアです。コンピュータの計算能力を活かして、さまざまな与条件をくみ取った設計デザインを実現する。少し難しく感じるかもしれませんが、例えば、こういった最新の技術を使いこなすことができれば、高度な機械を所有する工場や優秀な職人にしかできなかった加工技術も、個人レベルで扱うこともできてしまったり、自然のあらゆる要素を計算して読み込み、最適なランドスケープをつくり出すこともできるのです。この新しい建築のつくりかたの潮流は、世界で影響を大きくしつつありますが、授業ではなかなか触れることができないのではないでしょうか。建築にこんなつくられ方があるの!?と驚くことは間違いないでしょう。これを機に、建築の未来の一端を見てみませんか。
 
竹中司(建築家/アンズスタジオ)
1971年生まれ。武蔵野美術大学建築学科修士課程修了後、同大学助手、講師を経て、2005-08年、ブリティッシュコロンビア大学建築学科大学院客員講師。2009年、世界に先駆けてコンピュテーショナル・デザインのスタジオ「アンズスタジオ」を共同設立。コンピュータを自由に且つ繊細に扱いながら、手の仕事を越えた新しい時代の「豊かさ」を創造する活動を続けている。建築デザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザインなどデジタルファブリケーション技術と連動した実践的なモノづくりを展開している。主な作品に、ソニーシティ大崎ランドスケープ計画、小学館神保町3-3ビル、嬉野社会文化会館ホールなど。
岡部文(建築家/アンズスタジオ)
ブリティッシュコロンビア大学建築学科先進建築学修士課程首席修了。2009年、アンズスタジオ共同設立。豊橋技術科学大学研究員。主な受賞に武蔵野美術大学優秀作品賞、JIA卒業設計コンクール長谷川逸子賞。建築と植物の新しい関係性を示唆した論文「Translating Serial Relations」で高い評価を受け、Merrick Architecture Graduating Prize受賞、Governor General's Gold Medalにノミネート。
http://www.ans-studio.com

 
第6回目は、12月18日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。
今回のゲストは、様々なメディアで紹介され、その活動が注目されている若手建築家の辻琢磨さん。辻さんは2008年、大学院在学中に建築ユニット「403architecture」を結成し、現在、「403architecture [dajiba](彌田徹氏、橋本健史氏と共同主宰)」として建築設計の活動をされています。また、2010年より、静岡県浜松市を基点に、メディアプロジェクト「アンテナ(吉岡優一氏、植野聡子氏と共同運営)」をスタートさせ、 リサーチ活動、レクチャーシリーズの運営、ワークショップのディレクションなど、様々な活動を展開されています。
今回のオウケンカフェでは、建築や地域を通じた辻さんの多様な活動を紹介していただけることと思います。ぜひ、お越しください。
 
辻琢磨(建築家/403architecture[dajiba])
1986年、静岡県生まれ。2010年、横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA修了。2010年、Urban Nouveau*。2011年、メディアプロジェクト・アンテナ企画運営。2011年、403architecture [dajiba]設立。2013年、横浜国立大学非常勤教員。
http://www.403architecture.com

 
第5回目は、11月27日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。
今回のゲストは、今村雅樹さん(建築家/日本大学理工学部建築学科)、小泉雅生さん(建築家/首都大学東京)、高橋晶子さん(建築家/武蔵野美術大学)。7月に『パブリック空間の本 公共性をもった空間の今までとこれから』(彰国社)を出版した3人による鼎談を行います。それぞれ建築家として活躍している3人ですが、今回は「ぼくらがケンチくんだったころ、、そして今」をテーマとして、学生時代から建築家としてデビューするまで、そして今、何を考え、何をやっているかをリアルに話していただきます。本のテーマとなった「パブリック空間」について語るのはもちろんのこと、3人ともに大学教員であることから、学生へのメッセージをこめたレクチャーとなるでしょう。ぜひ、お越しください。
 
今村雅樹(建築家/日本大学理工学部建築学科)
1953年、長崎県生まれ。1977年、日本大学理工学部建築学科卒業。1979年、日本大学大学院理工学研究科博士過程前期修了。1989年〜今村雅樹+TSCA代表、1992年~今村雅樹アーキテクツ代表、2005年~日本大学理工学部教授。
http://www.masakiimamura.com
 
小泉雅生(建築家/首都大学東京)
1963年生まれ。1988年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。1986年、シーラカンス・一級建築士事務所設立。1998年、シーラカンス・アンド・アソシエイツ(C+A)に改組、代表取締役。2001年~東京都立大学大学院。2005年、小泉アトリエ設立。現在、首都大学東京大学院都市環境科学研究科 建築学域教授。
http://www.k-atl.com
 
高橋晶子(建築家/武蔵野美術大学)
1980年、京都大学工学部建築学科卒業。1986年、東京工業大学博士課程修了。1986〜88年、篠原一男アトリエ。1988年、ワークステーション設立。2004年~武蔵野美術大学教授。
http://www.wstn-arch.com

 
第4回目は、10月30日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。
今回は生産工学部からのゲスト、建築家の小川博央さん。小川さんは、2000年に生産工学部を卒業し、隈研吾建築都市設計事務所に入所(隈研吾さんは、今 年の桜門建築会学生設計コンペティションの審査員です)。同事務所の主任技師を経て、2005年に独立。小川博央建築都市設計事務所を設立しました。 2013年には「ちよだの森歯科診療所」で日本建築学会作品選奨と日本建築学会作品選集新人賞をダブル受賞。アメリカの建築雑誌 「ARCHITECTURAL RECORD」が選出する世界の若手建築家10名の中の1人にも選ばれています。2011年からは日本大学生産工学部の非常勤講師を務めるなど、講師とし ても活躍。今後の期待が高まる建築家です。ぜひ、お越しください。
 
小川博央(建築家/小川博央建築都市設計事務所)
1975年、香川県生まれ。1998年、日本大学生産工学部建築工学科卒業。2000年、日本大学大学院生産工学研究科建築工学専攻(博士前期課程)修 了。2000〜05年、隈研吾建築都市設計事務所。2005年、小川博央建築都市設計事務所設立。2011年〜、日本大学生産工学部建築工学科非常勤講 師。
http://www.ogaa.jp

 
第3回目は、9月25日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。ゲストは、アーティストの中崎透さん。中崎さんは、水戸市を拠点に国内のさまざまな場所で展覧会をはじめとする活動を行っています。2006年末より「Nadegata Instant Party」(中崎透+山城大督+野田智子)を結成し、ユニットとしても活動を開始。そのコンセプトは、「地域コミュニティにコミットし、その場所において最適な「口実」を立ち上げることから作品制作を始める。口実化した目的を達成するために、多くの参加者を巻き込みながら、ひとつの出来事を「現実」としてつくりあげていく。「口実」によって「現実」が変わっていくその過程をストーリー化し、映像ドキュメントや演劇的手法、インスタレーションなどを組み合わせながら作品を展開している」というもの。現在開催中の「あいちトリエンナーレ2013」においては、電力開閉所の跡地に手づくりの特撮スタジオを設置したインスタレーションを展開。また、ナデガタ以外にも、音楽家・大友良英さんたちが立ち上げた「プロジェクト FUKUSHIMA!」に参加。そして来年からは、豊島区で行われているアートプロジェクト「としまアートステーション構想」にも参加します。
この「オウケンカフェ」では、卒業生と現役学生のコミュニケーションのための場所として、さまざまな形で「建築」に関わる人たちを採り上げ、「建築」の拡がりや可能性を考えていきたいと思います。中崎さんがつくり出す作品の数々は、「建築」と呼んでもおかしくないくらいに、その場所やコミュニティを起点とした空間や関係性をつくり出しています。中崎さんからの話は、「建築」にとっても大きな刺激を与えるものになるでしょう。ぜひ、お越しください。
 
中崎透(アーティスト)
1976年、茨城県生まれ。2007年、武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。2006年末より、山城大督、野田智子とアーティストユニット「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年、遠藤水城と茨城県水戸市にオルタナティブスペース遊戯室(中崎透+遠藤水城)を設立。
http://tohru51.exblog.jp
http://nadegatainstantparty.org

 
第2回目は、8月28日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。
ゲストは、メジロスタジオの古澤大輔さん、馬場兼伸さん、黒川泰孝さんの3人。個性あふれる3人によるユニット「メジロスタジオ」は、個人住宅から、集合住宅、店舗デザイン、リノベーション、屋台に至るまで、幅広いデザインを手がけています。設計のプロセスを共有し、クライアントを含む複数人の客観的な判断を重ねる設計手法により、建築家固有の作家性を押し付けることなく、自由で新しく、かつ必然的な魅力を持つ建築が生まれることを目指す、魅力的な活動を行っています。その代表作も、「高松町ガレージ」「アシタノイエ」「馬込沢の住宅」「高崎の屋台」「3331 Arts Chiyoda」「東府中の集合住宅」「瀬田の住宅」など、バラエティに富んでいます。また、古澤さんは、この4月から理工学部建築学科の助教として着任したばかり。一方の馬場さん、黒川さんは、それぞれ理工学部建築学科の卒業生でもあります。
この「オウケンカフェ」では、卒業生と現役学生のコミュニケーションのための場所として、さまざまな形で「建築」に関わる人たちを採り上げ、「建築」の拡がりや可能性を考えていきたいと思います。今回登場するメジロスタジオの3人は、「オウケンカフェ」において、「これまでの軌跡と3人の今後」という意味深なテーマで話をしてくれるとのこと。必見の会になると思います。ぜひ、お越しください。
 
古澤大輔(日本大学理工学部建築学科/メジロスタジオ/リライトデベロップメント)
1976年、東京都生まれ。2000年、東京都立大学工学部建築学科卒業(藤木隆男研究室)。2002年、同大学大学院修士課程修了(小泉雅生研究室)。2002年、メジロスタジオ設立・共同主宰。2008年、リライトデベロップメント設立。2013年、日本大学理工学部建築学科助教。
 
馬場兼伸(メジロスタジオ)
1976年、東京都生まれ。2000年、日本大学理工学部建築学科卒業(若色峰郎研究室)。2002年、同大学大学院博士前期課程建築学専攻修了(同研究室)。2002年、メジロスタジオ設立・共同主宰。
 
黒川泰孝(メジロスタジオ)
1977年、東京都生まれ。2000年、日本大学理工学部建築学科卒業(高宮眞介研究室)。2002年、同大学大学院博士前期課程建築学専攻修了(同研究室)。2002年、メジロスタジオ設立・共同主宰。
 
http://www.mejirostudio.com

 
第1回目は、7月31日(水)19時より、理工学部駿河台キャンパス5号館スライド室1で開催します。
ゲストは、「2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)」を「『けんちく体操』ワークショップを中心とした建築教育プログラムの実践と普及活動」で受賞した、田中元子さんと大西正紀さんの2人。クリエイティブユニット「mosaki」として、「一般の人と、建築の世界を結ぶ役割を見付けたい」「建築は建築以外のことに包まれて成りたっている。建築の周辺を豊かに面白くしたい」をコンセプトに、執筆から雑誌・書籍の編集、メディア・イベントのディレクションなど、幅広く活躍しています。その中でも脚光を浴びている「けんちく体操」は、建築物を模写する体操を全身で楽しむことを通じ、老若男女を問わず、建物や街並みへの意識向上を目指したワークショップ・プログラムです。国内はもちろんのこと、ドイツ・バウハウス大学でもワークショップを行うなど、その活動は世界中に広がっています。
この「オウケンカフェ」では、卒業生と現役学生のコミュニケーションのための場所として、さまざまな形で「建築」に関わる人たちを採り上げ、「建築」の拡がりや可能性を考えていきたいと思います。そんな「オウケンカフェ」の第1回目にふさわしいゲストとして、田中さんと大西さんに登場していただきます。「けんちく体操」をはじめとする、彼らのさまざまな活躍を紹介していただけることと思います。ぜひ、お越しください。
 
田中元子(ライター/クリエイティブファシリテーター)
1975年、茨城県生まれ。建築デザインをとりまく、作り手使い手それぞれのコミュニティ盛り上げ役。雑貨メーカー勤務後、建築系ギャラリーや日建設計、建築学会(全てアルバイト)を経て2004年、mosaki共同設立。執筆及びディレクションを中心に活動。後藤繁雄“スーパースクール”8期生。2007〜08年、co-labクリエイティブファシリテーター。2009年〜日本建築学会文化事業委員。2010年、「けんちく体操ウーマン1号」襲名。主な連載に『mosakiのイベント巡礼』(2005-2008|日経アーキテクチュア)、『妻・娘から見た建築家の実験住宅』(2009-2011|ミセス・文化出版局)など。
 
大西正紀(編集者/建築家)
1977年、大阪府生まれ。2001年、日本大学理工学部建築学科卒業。2003年、日本大学大学院理工学研究科博士前期課程建築学専攻修了(高宮研究室所属)、修士設計“駿建賞”受賞。2003〜04年、Ushida Findlay Architects (UK)勤務後、2004年、mosaki共同設立。mosakiでは編集及びデザインを担当する。後藤繁雄“スーパースクール”9期生。2004〜07年、日本大学理工学部建築学科助手。2007年〜日本大学理工学部建築学科NU建築フォーラム委員。2007〜09年、日本建築学会編集委員会委員。2010年、「けんちく体操マン2号」襲名。2011年〜日本建築学会建築教育委員会委員(市民啓蒙ワーキンググループ)。
 
http://www.mosaki.com/

 これまで「桜建会計画系研究懇談会」として行われてきた会を、新たに名前を「オウケンカフェ」と改め、月1回のレクチャーシリーズとして2013年より再スタートしました。毎月末に「オウケンカフェ」と名付けた場を開き、そこへゲストを招いて話題提供をしてもらい、その後にみなさんで語り合う。従来の一方通行の硬いレクチャーのイメージよりは、多くの人が自由に発言できるような、柔らかい会を目指しています。また、この「オウケンカフェ」では、卒業生と現役学生のコミュニケーションのための場所として、さまざまな形で「建築」に関わる人たちを採り上げ、「建築」の拡がりや可能性を考えていきます。学内、学外に関わらず、誰でも参加が可能です。是非、気軽にいらしてください。