環境および設備をテーマとする研究室建築音響研究室

研究テーマ・キーワード:
  • 音環境
  • 環境振動
  • 居住性
  • 騒音
  • 床衝撃音
  • 固体伝搬音
  • 防振
  • 加振力
所属教員:
  • 冨田 隆太 教授
  • 岡庭 拓也 助手
教室:
駿河台校舎タワー・スコラ S909室

生活空間に生じる音・振動を研究し,住環境づくりに貢献したい。 - 騒音・振動から人々の生活環境を守る -

研究室の活動内容

建築物の音・振動環境の性能を向上させ、快適に生活できる空間づくりを目指しています。本研究室では、特に、音環境、環境振動を中心に、研究を展開しています。研究活動としては、実験室だけではなく、フィールド調査を重視し、実建物での計測、評価等に関する研究を行っています。高架下保育施設を例に挙げると、保育施設にご協力をいただき、音・振動の調査から、保育士のヒアリング調査、子どもの反応等を通して、評価規準の提案や既存保育施設の対策を目指しています。

研究テーマ

  1. 建築物の床衝撃音評価・対策に関する研究
  2. 木造建築物の床衝撃音に関する研究
  3. 歴史と音環境に関する研究 – 歴史をさかのぼり,各時代の暮らしの音環境を考察する –
  4. 加振力の計測方法とデータベース化に関する研究
  5. 建築物の環境振動評価に関する研究
  6. 戸建住宅の環境振動予測に関する研究
  7. 高架下や複合ビル内の保育所の音・振動に関する研究
  8. 床材の性能表示に関する研究
  9. 振動ピックアップの設置共振対策に関する研究
  10. 重量床衝撃音対策のための新たな床仕上げ構造の提案と実装
  11. 新型コロナウイルス感染症によるステイホーム中を対象とした共同住宅の音環境に関する研究

研究・実績の紹介

トラックや大型バス等が家の前を通過すると、大きな揺れが日常生活で発生する環境振動の問題がある。実際に、計測を行う際には、揺れを感じる家の中での計測が重要とされるが、床仕上げ材が、「カーペット」や「畳」の場合には計測できない。そこで、本研究室では設置共振を防ぐ方法に取り組み、カーペットや畳を剥がさずに、写真のようにカーペットと振動ピックアップの間に、適切な防振ゴムを挟み、その振動伝達率を利用するアイディアで、精度良くカーペット下の床構造の振動を推定できる方法を提案した。
関連特許:「環境振動測定方法、環境振動測定装置及び環境振動測定プログラム」、特願2018-173983

最近の研究論文

  1. 平川侑, 平光厚雄, 冨田隆太, 阿部今日子:アンケート調査結果における分譲・賃貸集合住宅の遮音性能の現状と満足度(その1):居住者や建築物属性の明確化および課題点の抽出,日本建築学会環境系論文集,88巻,805号,pp.154-161,2023.3(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.88.154)
  2. 青木怜依奈,冨田隆太:数分間の道路交通振動を対象とした環境振動評価尺度の検討,日本建築学会技術報告集,29巻,71号,pp.233-238,2023.2(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.29.233)
  3. Ryuta TOMITA, Yuta GOTO, Dai ADACHI:Comparison of vibration transmission rate when using vibration control rubber and DIN 45669-2 method for countermeasures to contact resonances of vertical vibration,Acoustical Science and Technology,Volume 43,Issue 6,pp.316-321,2022.11(DOI: https://doi.org/10.1250/ast.43.316)
  4. 冨田隆太,阿部今日子:防振を考慮した畳の床衝撃音と転倒衝突及び歩行時の硬さに関する実験的検討,日本建築学会技術報告集,28巻,70号,pp.1260-1265,2022.10(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.28.1260)
  5. 冨田隆太,岡庭拓也,阿部今日子:乾式二重床に畳付収納家具を設置したときの重量床衝撃音対策に関する検討,日本建築学会環境系論文集,87巻,798号,pp.515-521,2022.8(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.87.515)
  6. 青木怜依奈,冨田隆太:道路交通振動を対象とした実住宅における1週間の振動レベル測定結果と考察,日本建築学会技術報告集,28巻,69号,pp.721-726,2022.6(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.28.721)
  7. 松田貫,冨田隆太:建築物内に伝搬する複合振動を対象とした振動感覚の評価方法に関する検討,日本建築学会環境系論文集,87巻,796号,pp.324-334,2022.6(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.87.324)
  8. 松田貫,冨田隆太:畳を対象とした床衝撃音と転倒衝突及び歩行時の硬さに関する実験的検討,日本建築学会環境系論文集,86巻,790号,pp.873-882,2021.12(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.86.873)
  9. 冨田隆太,足立大:畳上での水平振動に関する防振ゴムを利用した環境振動測定方法の検討,日本建築学会技術報告集,27巻,67号,pp.1315-1320,2021.10(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.27.1315)
  10. 冨田隆太,岡庭拓也,阿部恭子,大瀧友多,阿部今日子:畳付収納家具を用いた重量床衝撃音対策仕様の提案,日本建築学会技術報告集,27巻,67号,pp.1309-1314,2021.10(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.27.1309)
  11. 冨田隆太,阿部今日子:新型コロナウイルス感染症によるステイホーム中を対象とした共同住宅の音環境に関するアンケート調査,日本建築学会技術報告集,27巻,67号,pp.1303-1308,2021.10(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.27.1303)
  12. 冨田隆太,井上勝夫,松田貫:建築物の鉛直振動を対象とする振動知覚時間を考慮した振動評価尺度の提案,日本建築学会環境系論文集,86巻,782号,pp.357-367,2021.4(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.86.357)
  13. 冨田隆太,後藤佑太,青木怜依奈:畳上での防振ゴムを利用した環境振動測定方法の検討,日本建築学会技術報告集,27巻,65号,pp.283-287,2021.2(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.27.283)
  14. 冨田隆太,岡庭拓也,大瀧友多,阿部今日子:小規模認可保育所を対象とした畳付収納家具による重量床衝撃音対策方法に関する基礎的検討,日本建築学会技術報告集,27巻,65号,pp.277-282,2021.2(DOI: https://doi.org/10.3130/aijt.27.277)
  15. 冨田隆太,井上勝夫,松田貫:建築物の鉛直方向の振動感覚に対する振動知覚時間の影響,日本建築学会環境系論文集,85巻,774号,pp.579-589,2020.8(DOI: https://doi.org/10.3130/aije.85.579)

学外活動実績

  1. 日本建築学会,代議員,2021/03-2023/03
  2. 日本音響学会,評議員,2021/05-2023/05
  3. 日本騒音制御工学会,理事,2018/06-2022/05
  4. 日本建築学会,環境工学本委員会,委員,2023/04~
  5. 日本建築学会,音環境運営委員会,委員,2017/04~
  6. 日本建築学会,環境振動運営委員会,主査,2023/04~
  7. 日本建築学会,環境振動性能評価小委員会,主査,2021/04~2023/03
  8. 日本建築学会,環境振動測定分析小委員会,主査,2015/04~2019/03

所属教員