構造をテーマとする研究室RC構造・構造解析研究室

研究テーマ・キーワード:
  • 鉄筋コンクリート
  • 数値解析
  • 耐震性能評価
  • 損傷評価
  • 耐震性能の時間依存性
所属教員:
  • 田嶋 和樹 教授
  • 長沼 一洋 特任教授
研究室:
駿河台校舎タワー・スコラ S904・S905室

数値解析を駆使して、 鉄筋コンクリート構造の真実を明らかに

研究室の活動内容

鉄筋コンクリート(RC) 構造の数値解析に関するトップランナーとして、RC構造物の「真の耐震性能」を評価するために、数値解析に基づく耐震性能評価手法の確立を目指して研究を継続しています。具体的には、三次元非線形FEM解析に代表される高度な数値解析技術によって、RC 部材や構造物の抵抗機構を詳細に解明し、建物の耐震性能に対する理論的な裏づけを行います。さらに、これらの抵抗機構を表現可能な簡易解析モデルで提案し、実務レベルでも活用可能で高精度な耐震性能評価法の実現を目指します。これらの研究は、より安全で合理的な設計法の確立を目指すとともに、被災した建物の残余耐震性能評価手法の高度化や効果的な耐震補強方法の開発まで意識した次世代に向けたチャレンジです。

研究テーマ

  1. RC 構造物の耐震性能評価に関する研究
     例)三次元非線形FEM解析によるRC部材およびRC構造物の地震時挙動シミュレーション
     例)RC造骨組の軸支持性能低下を考慮した柱崩壊シミュレーション
  2. RC 構造物の地震損傷評価に関する研究
     例)数値解析に基づくRC構造物に対する新たな損傷指標の提案
     例)RC造建物群に対する損傷評価手法の提案
  3. 補修・補強後RC 構造物の耐震性能評価に関する研究
     例)骨組解析に基づく耐震補強されたRC造学校校舎の地震損傷評価と補強効果の検証
     例)層崩壊するRC造骨組に対する効果的な耐震補強方法の提案
  4. RC 構造物の耐震性能の時間依存性に関する研究
     例)RC造建物に生じる収縮ひび割れの予測と構造性能評価
     例)火災後のRC造建物の耐震性能評価
  5. 次世代コンクリートを用いた構造物に対する数値解析手法に関する研究

研究・実績の紹介

我々の研究室のモットーは,「考えることを楽しむ」です。
例えば,大地震後に現地調査に赴むくと、新しい「謎」に出会います。
このようなRC構造の様々な「謎」の発見に喜び、その「謎」に興味を持ち、数値解析や実験を通じてその「謎」を解明し、その真実を理論的に説明することに挑戦しています。

また、近年、私たちが保有する数値解析技術を提供することにより、RC 構造に関わる種々の問題の解決に挑戦したり、社会に役立つ技術開発に貢献したりする大学間連携や産学連携の体制が構築されつつあります。

最近の研究論文

田嶋

  1. 今関慶,田嶋和樹,長沼一洋:旧耐震基準で設計された低層RC造建物における終局塑性率の算定,コンクリート工学年次論文集,Vol.44,No.2,pp.1051-1056,2022.7
  2. 今関慶,田嶋和樹,長沼一洋:鉄筋量が異なるDFRCC梁部材の非線形FEM解析,コンクリート工学年次論文集,Vol.43,No.2,pp.781-786,2021.7
  3. K. Kono, K. Tajima, K. Naganuma:Torsional response evaluation method for reinforced concrete frames based on 3D nonlinear finite element analysis, Conference Proceedings of 16th World Conference on Earthquake Engineering, Paper No. 2c-0156, 2020.9
  4. M. Ichikawa, K. Tajima, K. Naganuma:REDEFINED SYSTEM FOR SEISMIC DAMAGE EVALUATION OF REINFORCED CONCRETE BUILDINGS, Conference Proceedings of 16th World Conference on Earthquake Engineering, Paper No. 2c-0157, 2020.9
  5. R. Hasuike, K. Tajima, K. Naganuma:MECHANISM OF STORY COLLAPSE CAUSED BY LOCAL DAMAGE TO REINFORCED CONCRETE FRAME,Conference Proceedings of 16th World Conference on Earthquake Engineering, Paper No. 2c-0158, 2020.9 

長沼

  1. 町田直輝,赤井冬来,丸田誠,長沼一洋:ヒンジリロケーションさせたRC部材の構造性能に関する研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.44,No.2,pp.97-102,2022.7
  2. 佐藤裕一,長沼一洋,金子佳生:乾燥収縮を受けた耐震壁の落錘実験と三次元有限要素解析,コンクリート工学年次論文集,Vol.44,No.2,pp.901-906,2022.7
  3. 穴吹 拓也,長沼 一洋:非線形有限要素解析に基づく鉄筋コンクリート造耐震壁のひび割れ進展指標,日本建築学会構造系論文集,87 巻,793 号,pp.307-315,2022.3
  4. 穴吹 拓也,米澤 健次,長沼 一洋:鉄筋コンクリート造耐震壁のひび割れの定量化手法に関する研究,日本建築学会構造系論文集,86 巻,782 号,pp.598-607,2021.4
  5. 月成真隆,丸田誠,田嶋和樹,長沼一洋:円形開口を有するプレストレストコンクリート梁の構造性能に関する研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.43,No.2,pp.247-252,2021.7

学外活動実績

田嶋

  1. 2017年4月~ 日本鉄筋継手協会 機械式継手性能小委員会
  2. 2017年4月~ グッドアイズ建築検査機構 監視委員
  3. 2016年4月~ 日本建築センター コンクリート系住宅構造委員会評定委員
  4. 2014年4月~ 日本コンクリート工学会 コンクリート技士試験東京会場WG
  5. 2011年4月~ 日本建築学会関東支部 地震災害調査連絡会
  6. 2017年4月~2019年3月 日本コンクリート工学会 コンクリート工学論文集査読委員会
  7. 2017年4月~2019年3月 日本コンクリート工学会 代議員
  8. 2016年12月~2018年7月 日本コンクリート工学会 年次論文査読委員会
  9. 2016年4月~2020年3月 日本コンクリート工学会 コンクリート診断士講習委員会
  10. 2015年4月~2017年3月 日本コンクリート工学会 関東支部役員
  11. 2012年4月~2014年3月 日本コンクリート工学会 コンクリート技士試験委員会品質・構造WG
  12. 2011年4月~2015年3月 日本コンクリート工学会HP-WG
  13. 2011年3月~2013年3月 日本コンクリート工学会 鉄筋腐食したコンクリート構造物の構造・耐久性能評価の体系化研究委員会
  14. 2010年12月~2012年11月 日本建築学会関東支部 耐震構造の設計改定WG
  15. 2009年4月~2011年3月 日本コンクリート工学協会 コンクリートと補強材の付着定着挙動と構成則の利用研究委員会
  16. 2008年4月~2009年3月 日本コンクリート工学協会 プレキャストコンクリート製品の設計と利用研究委員会
  17. 2007年4月~2015年3月 日本建築学会関東支部 構造専門委員会RC-WG
  18. 2006年4月~2008年3月 日本コンクリート工学協会 非線形有限要素解析法の利用に関する研究委員会
  19. 2005年4月~2015年3月  日本コンクリート工学協会 電子情報化委員会
  20. 2005年4月~2007年3月 日本コンクリート工学協会 文献調査委員会
  21. 2005年4月~2007年3月 日本コンクリート工学協会 被災構造物の復旧性能評価研究委員会
  22. 2004年4月~2005年3月 日本コンクリート工学協会 被災構造物の補修補強後の耐力変形性状研究委員会

 

長沼

  1. 2018年4月~ 日本建築学会 強非線形問題小委員会
  2. 2016年4月~ 千葉市 総合評価落札方式学識委員
  3. 2015年10月~ 日本建築学会 PC耐震設計小委員会
  4. 2013年4月~2018年3月 日本建築学会 強非線形問題の理論と応用小委員会
  5. 2012年4月~2014年3月 東京工業大学 先端無機材料共同研究拠点共同研究委員会
  6. 2012年4月~2014年3月 日本建築学会 代議員
  7. 2010年6月~2012年5月 日本建築学会関東支部 常議員・学術幹事
  8. 2009年4月~2013年3月 日本建築学会 強非線形問題と予測性能小委員会
  9. 2008年4月~2010年3月 コンクリート工学協会 コンクリート工学編集委員会
  10. 2007年4月~2009年3月 日本建築学会 建築構造の強非線形問題小委員会
  11. 2005年4月~2009年3月 日本建築学会 鋼・コンクリート合成構造運営委員会
  12. 2005年4月~2009年3月 日本建築学会 鉄筋コンクリート構造運営委員会
  13. 2003年4月~2005年3月 日本建築学会 C系構造の部材解析モデルと設計法小委員会
  14. 1999年4月~2003年3月 日本建築学会 コンクリート系構造の部材解析モデル検証小委員会
  15. 1995年7月~1997年3月 日本建築学会 終局強度設計小委員会
  16. 1995年4月~2000年3月 日本建築学会関東支部 構造専門研究委員会
  17. 1990年4月~1994年3月 日本建築学会 原子力プラントコンクリート構造小委員会
  18. 1986年4月~1989年3月 日本コンクリート工学協会 RC構造の有限要素解析と設計法研究委員会

所属教員

  • 博士(工学)/コンクリート技士/中学校・高等学校教諭一級普通免許状(数学)
    所属:RC構造・構造解析研究室
  • 博士(工学)/一級建築士
    所属:RC構造・構造解析研究室