計画をテーマとする研究室建築史・建築論研究室(近代建築系【⽥所ゼミ】)

研究テーマ・キーワード:
  • 近現代建築史
  • モダニズム建築
  • 日欧文化交流史
  • 近代住宅史
  • 設計方法論
  • 建築家研究
  • 近現代建築思潮
  • 建築ジャーナリズム
  • 保存・活用・再生
  • ドコモモ・ジャパン
所属教員:
  • 田所 辰之助 教授
研究室:
駿河台校舎タワー・スコラ S817室

歴史を紐解き、建築の歩みを振り返りながら、明日の建築を探し出そう!

研究室の活動内容

当研究室は,建築史および建築論に関する研究を扱っています。建築の歴史を振り返りながらも,つねに現代的視点を忘れず,建築を幅広い視野から考えていく姿勢を身につけていきたいと考えています。 卒業研究では,今日の社会の礎となった近現代建築の発展プロセスに着目していきます。 わたしたちが日々生活を営む近代という時代,建築はさまざまな文化・社会システムと結びつきながらそのあり方を変化させてきました。 建築には一体何が求められてきて,これから何が必要とされていくのでしょう。 新たな創造の一助とするために,建築が生み出される社会的背景,時代とのかかわりに関心を向け,建築を広い視座のもと,複眼的に観察していく目を養っていきたいと思います。

研究室のテーマ

  1. 近現代建築のデザイン・建築家・メディア(建築ジャーナリズム)に関する研究 建築作品の設計手法や建築家のデザイン思想,メディア(建築雑誌等)を介した伝播のプロセスを検証します。
  2. 日本の近代建築運動とその影響に関する研究 分離派から 1970 年代へ,建築のあり方を問うた建築家たちの活動,その理念や社会背景を読み解きます。

  3. 住宅・集合住宅の発展・普及過程に関する研究 暮らし方の変化と平面構成の関係,時代を画する建築家の提案,住宅の生産・供給システムなどを分析します。

  4. 近現代建築の保存・活用・再生手法に関する研究 近現代建築の保存,活用・再生をめぐる理念や手法,建築アーカイブズ(資料保管)のあり方を考察します。

  5. 上記の各研究,建築・都市に対する建築史・建築論的分析をもとにした作品制作(卒業設計) 歴史的観点に基づく分析を土台にコンセプトやデザイン手法を導き出し,設計提案へ発展させていきます。

研究・実績の紹介

  1. 関東大震災100年に際し開催された「首都東京の復興ものがたり-未来へ繋ぐ100年の記憶」展(千代田区立日比谷図書文化館、2023年9月1日~11月26日)への企画・協力、図録作成。
  2. モダニズム建築の秀作「日比谷電電ビル」(設計:國方秀男、1961年)、その解体時調査と報告書の作成(NTTファシリティーズ(編)『日比谷電電ビル建築アーカイブス』NTTファシリティーズ、2023年)。

  3. 「吉田鉄郎の『近代』-モダニズムと伝統の架け橋」展(文化庁国立近現代建築資料館、2019年11月1日~2020年2月11日)へ田所教授、大川三雄元教授が実行委員会委員として企画・立案に参画、図録作成。

  4. 大川三雄・大橋智子・大山亜紀子・勝原基貴・加藤千晶・佐藤光彦・重枝豊・染谷正弘・高木愛子・田所辰之助・矢代眞己『日本のインテリアデザイン全史』柏書房、2018年。研究室を挙げて取り組んだ豪華本。古代から現代まで、日本建築の内部空間の成り立ちを読み解く。

最近の研究論文

  1. 千代章一郎・杉山真魚・田所辰之助「シャルロット・ペリアンにおける『装飾』概念の変容」日本建築学会計画系論文集、第801号、2022年11月
  2. 川嶋勝・大川三雄・矢代眞己・田所辰之助「建築書院の出版活動とその特徴について 刊行分野と建築図書の刊行形態の変遷」日本建築学会計画系論文集、第791号、2022年1月

  3. 田所辰之助・川嶋勝(監修)『代表作でわかる世界の建築史入門』世界文化社、2022年

  4. 杉山真魚・千代章一郎・田所辰之助「ベイリー・スコットの住宅論における『装飾』概念の拡張」日本建築学会計画系論文集、第790号、2021年12月

  5. 田所辰之助「『新しき社会技術』の獲得へ向けて-山口文象の渡独とその背景をめぐって」『分離派建築会-日本のモダニズム建築誕生』田路貴浩編、京都大学学術出版会、2020年

  6. 田所辰之助「『郊外』に託されたもの-ヘルマン・ムテジウス設計による郊外住宅とその文化的規範」『風景の人間学-自然と都市、そして記憶の表象』仲間裕子・竹中悠美編、三元社、2020年

  7. 高木愛子・大川三雄・田所辰之助「吉田鉄郎設計による北陸銀行新潟支店の設計プロセスに関する考察-株式会社」NTTファシリティーズが所蔵する関連資料の概要とその分析」日本建築学会技術報告集、第26巻62号、2020年2月

  8. 川嶋勝・大川三雄・矢代眞己・田所辰之助「叢書形式の建築図集にみる洪洋社の刊行手法とその特徴について」日本建築学会計画系論文集、第743号、2018年1月

  9. 矢代眞己・田所辰之助・川嶋勝他『モダニズト再考[日本編]:建築の20世紀はここから始まった』彰国社、2017年(共著)

  10. 川嶋勝・大川三雄・矢代眞己・田所辰之助「洪洋社の建築出版活動の概要とその特質について」日本建築学会計画系論文集、第721号、2016年3月

  11. 田所辰之助「都市・テクノロジー・様式-オットー・ヴァーグナーのウィーン市総合整備計画案をめぐって」『ウィーン 西洋近代の都市と芸術』池田祐子編、竹林書房、2016年

  12. ジョン・V・マシュイカ著、田所辰之助・池田祐子共訳『ビフォー ザ バウハウス-帝政期ドイツにおける建築と政治 1890-1920』三元社、2015年

学外活動実績

  1. 日本建築学会:理事・代議員・常議員・会誌編集委員会委員長・近代建築史小委員会主査・ドコモモ対応WG主査・帝都復興事業調査研究WG主査・図書委員会幹事
  2. ドコモモ・ジャパン:理事・国内登録専門委員会委員長・会報編集委員会委員長・第16回国際大会2020TOKYO学術委員会副委員長

  3. 日本イコモス国内委員会委員

  4. 「吉田鉄郎の『近代』-モダニズムと伝統の架け橋」展(文化庁国立近現代建築資料館)企画・協力(「吉田鉄郎の『近代』」展実行委員会委員長)

  5. 「分離派建築会100年-建築は芸術か?」展(パナソニック汐留美術館・京都国立近代美術館)企画・協力(分離派100年研究会)

  6. 「首都東京の復興ものがたり-未来へ繋ぐ100年の記憶」展(千代田区立日比谷図書文化館)企画・協力(日本建築学会帝都復興事業調査研究WG)

所属教員

  • 博士(工学)/一級建築士
    所属:建築史・建築論研究室(近代建築系【⽥所ゼミ】)