卒業後もつづく、もうひとつのつながり |桜門建築会と理工学部校友会建築部会

建築を学んだ時間は、学位記を受け取った瞬間に終わるわけではありません。むしろそこから、母校や校友との長いつながりが始まります。日本大学の建築系には、在学中の学生を支援、卒業・修了後も校友どうしを結びつづける二つの組織「日本大学桜門建築会(桜建会)と日本大学理工学部校友会建築部会」があります。それぞれの成り立ちと活動、そして在学生に向けた支援を紹介します。
日本大学桜門建築会(桜建会)
日本大学桜門建築会(以下、桜建会)は、日本大学の建築系4学部5学科の卒業生と、芸術学部の有志によって構成される同窓会組織です。建築系学科の卒業生を会員とし、卒業生どうしの親睦と研鑽を図りながら、在学生の支援や、学内外の会員の社会的発展に寄与することを目的として活動しています。
ここでいう「建築系」とは、理工学部建築学科、理工学部海洋建築工学科、工学部建築学科、生産工学部建築工学科、短期大学部建築・生活デザイン学科、および芸術学部デザイン学科を指します(過去に学科名称が変更となった卒業・修了生も含みます)。会員のつながりは全国に広がっており、団体・法人ごとの職域支部と、12の地域支部を通じて、卒業生が交流と情報交換を続けています。
その歴史は古く、1922(大正11)年、日本大学理工学部の前身である日本大学高等工学校の第1回卒業生が桜建会の第1期会員となったことに始まります。創設から100年を経た2022(令和4)年には「100周年記念式典」が執り行われ、これを記念して、会員を対象としたコンテストにより新しいロゴマークも制定されました。
会員資格
桜建会には、次の6つの会員資格があります。
- 正会員:日本大学建築系の卒業生、または教職員・教職員であった者
- 特別維持会員:桜建会の目的に賛同して支援を申し出た者で、理事会が承認した者
- 支部団体:桜建会の目的・事業に賛同する団体で、理事会が承認した団体
- 学生会員:日本大学建築系の在学生
- 賛助会員:桜建会の目的・事業を賛助する団体・法人・個人で、理事会が承認した者
- 名誉会員:桜建会の発展・運営に永年にわたり貢献した正会員・特別維持会員で、理事会が推薦し総会で承認された者
正会員は、卒業時に入会金と3年分の年会費を一括納入して入会します。特別維持会員はやや高額な年会費を納めて桜建会の活動を支援し、支部団体・賛助会員も、定められた年会費を納めて活動を賛助しています。会員のもとには、年2回発行される会報「桜建会報」が届けられます。
運営と活動
桜建会は、各種会員からの会費収入によって運営されています。予算・決算および事業計画・報告は、毎年5月に開催される総会で報告・決定されます。
その活動は、卒業生と在学生の連帯を深め、広範な会員相互の協力によって親睦を図るとともに、母校の発展に貢献し、ひいては建築界と社会の発展に寄与することを目的としています。具体的には、次のような事業を行っています。
- 日本大学建築系の各専攻・各学部学科の教職員、在学生、卒業生の交流
- 在学生および卒業生等への奨励・表彰・支援事業の実施
- 関連団体等との交流
- 会誌、会員名簿、その他の印刷物の刊行
- 講演会、研究会、見学会、懇談会等の開催
- 一級建築士受験講習の支援
- その他、桜建会の目的を達成するために必要な事業
総会・懇親会は毎年5月下旬に開催され、卒業・修了後も校友との関係を続けることができます。
また2025(令和7)年には、建築系OBを対象とした新たな顕彰として「佐野利器賞」を新設しました。45歳以下の若い会員を対象に、2年に1度、若き建築人を表彰するもので、展覧会とあわせて表彰を行っています。
在学生を支援し、卒業・修了したあとも「日本大学の建築系」という大きな枠の中で交流を深めていく――そのための組織が、日本大学桜門建築会です。
今村雅樹(桜門建築会会長/理工学部建築学科元教授) 連絡先:日本大学桜門建築会 https://www.okenkai.jp/
日本大学理工学部校友会建築部会
日本大学理工学部校友会は、日本大学本部校友会の下部組織です。本部校友会は、都道府県支部65、学部別部会17、職域別部会5、桜門会69、海外特別支部10から成り、1924年から活動を続けています。理工学部校友会はそのうちのひとつで、工科系支部として地方支部37と職域支部9を持ち、さらに各学科を基本単位とする14の部会を擁しています。建築部会はその14部会のひとつで、建築学科・建築学専攻、および短期大学部建築・生活デザイン学科の卒業・修了生のすべてが構成員となっています(過去に学科名称が変更となった卒業・修了生も含みます)。
理工学部校友会には、本部校友会に毎年会費を納入する正会員と準会員(在学生)、そして卒業時に理工学部校友会が勧誘する終身連絡会員があります。終身連絡会員は、終身連絡会費を1回のみ納入することで、会報「桜工」が終身にわたって送付されます。校友会の活動は、正会員・準会員の会費の還付(本部校友会から学部別部会へ戻される資金)によって運営されています。(詳しくは理工学部校友会ホームページをご参照ください:https://www.koyukai-cst-nu.jp/index.html)
建築部会は、理工学部校友会の予算から、いずれも会員数に応じて配分される部会割戻金と部会補助費を受領して活動しています。予算・決算および事業計画・報告は、毎年5月に開催される建築部会の常任幹事会で検討・決定されます。
建築部会の活動は、次のような在学生への支援を中心に展開されています。
- 駿励賞の授与:在学生の優れた活動(コンペの入賞や学術論文の掲載など)に対し、建築学科と連名で常時表彰(賞状と副賞の授与)
- 講演会の開催奨励:在学生を対象とした講演会の開催を奨励し、講師謝礼を補助
- 就職活動支援の補助:建築学科が実施する就職活動支援行事への補助。卒業・修了生には協力を依頼し、桜門建築会とも協力して支援
- 建築学科行事の支援:建築学科が実施する行事における在学生の協力に対する補助
- 卒業アルバムの贈呈:卒業・修了生への卒業アルバムの無償配布
- 奨励賞の授与:卒業式において、優秀な卒業研究論文・卒業設計作品、修士研究・特定の課題の研究成果(修士設計)に対し、建築学科と連名で表彰(賞状と副賞の授与)
- 桜工賞の授与:卒業式において、在学時に学生の模範となる活動を行った学生に対し、理工学部校友会と協働して表彰(賞状と副賞の授与)
このほか、卒業・修了生が大学に集うことを目的に、毎年10〜11月に理工学部と協力して開催される「ホームカミングデー」への参加も呼びかけています。近年、建築部会単独での卒業・修了生向けの総会・懇親会は実施していませんが、理工学部校友会として毎年6月下旬に総会・懇親会を開催しており、卒業・修了後も校友との関係を続けることができます。
大学を卒業・修了したあとも、建築学科・建築学専攻や短期大学部建築・生活デザイン学科とのつながりを保ち、在学生を積極的に支援しながら校友の関係を大切にしていく――それが理工学部校友会建築部会です。
宇於﨑勝也(建築部会長・常任幹事/理工学部建築学科教授) 連絡先:
・理工学部校友会 https://www.koyukai-cst-nu.jp/index.html
・理工学部校友会建築部会 https://koyukai-cst-nu.jp/arch/
卒業式における各種表彰
その年度の優れた卒業研究論文・卒業設計作品、および修士研究(修士論文)・特定の課題の研究成果(修士設計)に対しては、卒業式でいくつもの賞が贈られます。建築学科教室、桜門建築会、理工学部校友会建築部会が、それぞれ、あるいは連名で授与する各賞の概要を紹介します。
建築学専攻(大学院博士前期課程)
| 賞名称 | 授与団体 | 賞の説明 |
|---|---|---|
| 齋藤謙次賞 | 桜門建築会 | 環境系・構造系分野の優れた研究論文に対し、齋藤賞基金に基づいて桜門建築会より授与。本学の中興の祖と呼ぶべき齋藤謙次先生の業績を記念して設けられた。 |
| 吉田鉄郎賞 | 建築学科教室(顕彰基金) | 設計・計画系分野の優れた研究論文および設計作品に対し、建築学科顕彰基金に基づいて建築学科教室より授与。戦後復興期に本学の設計教育の礎を築かれた建築家であり、日本の建築文化に関する優れた論考を残された吉田鉄郎先生の業績を記念して命名された。 |
| 駿建賞 | 建築学科教室(顕彰基金) | 優れた研究論文および設計作品に対し、建築学科顕彰基金に基づいて建築学教室より授与。 |
| 奨励賞 | 建築学科教室および理工学部校友会建築部会 | 優れた研究論文・設計作品、および学部の優れた卒業研究論文・卒業設計作品に対し、理工学部校友会建築部会の寄金に基づき、建築学科教室と理工学部校友会建築部会の連名で授与。 |
建築学科(学部)
| 賞名称 | 授与団体 | 賞の説明 |
|---|---|---|
| 桜建賞 | 桜門建築会 | 学部の優れた卒業研究論文および卒業設計作品に対し、桜門建築会より授与。 |
| 駿優賞 | 建築学科教室(顕彰基金) | 学部の優れた卒業研究論文および卒業設計作品に対し、建築学科顕彰基金に基づいて建築学科教室より授与。 |
| 奨励賞 | 建築学科教室および理工学部校友会建築部会 | 大学院博士前期課程の優れた研究論文・設計作品、および学部の優れた卒業研究論文・卒業設計作品に対し、理工学部校友会建築部会の寄金に基づき、建築学科教室と理工学部校友会建築部会の連名で授与。 |
※「賞の説明」は別冊駿建より引用。
桜門建築会・建築部会による在学生支援
桜門建築会と理工学部校友会建築部会が後援し、在学生を支援する活動には、次のようなものがあります。
OBOGと学生・大学院生の懇談会/就職情報共有会
卒業・修了生に声がけをして、それぞれ2日間にわたる懇談会に参加してもらい、在学生(学部3年生と大学院1年生)に向けて、団体・法人の説明やインターンシップへの参加の勧誘などを、面談形式で行います。「OBOGと学生の懇談会」にはおよそ80社、「OBOGと大学院生の懇談会」にはおよそ20社が参加します。あわせて、参加した団体・法人のOBOGとは「就職情報共有会」を開き、建築学科の就職状況の報告や、各団体・法人の就職活動予定について意見交換を行い、情報を共有しています。
NU建築週間
毎年、9月の最終週から10月にかけての1週間を「NU建築週間」と定めています。期間中は設計作品のなかの優秀作品をスタジオに展示し、最終日の土曜日には設計作品合同講評会「スーパージュリー」を開催。外部講師3名が、優秀な設計作品に対して改めて講評を行います。
入学し、在学し、卒業した――そのあとも、校友としてつながりを持ちつづけ、後輩たちを支える。桜門建築会と理工学部校友会建築部会は、そんな「日本大学の建築系」を、卒業後の時間まで含めて支えていく組織です。