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鋼構造・対雪設計研究室の中島肇先生(理工教授)が考える”建築の面白さ”
by SHUNKEN編集部

”ものづくり”の醍醐味 発想・想像力と創造力

地上積雪が1 mでも屋根には雪が積もらなかったという徴底した屋根雪処理された膜構造(室内練習場)。

 

建築の何が面白いかというと、何と言っても ‘‘ ものづくリ ’’ではないでしょうか。

住宅から、高層ビルや塔などの高い建築、あるいは体育館や野球場、スタジアムなどの広い空間の建築まで、規模や用途にかかわらず ”ものづくり” が実践されます。”ものづくリ” には、まず発想する力と想像する力が必要ですが、それらをどのようにつくっていくかという創造する力も大事だと思います。

構造設計者は、重力、自然(地震、風、雪……)を対象にして安全な建築を設計します。自然の力は計り知れず、時として私たちの想定を超えるような猛威をふるいます。私たちはこのような自然に対して、真摯で謙虚な姿勢で臨みながらも、安全性を確保しなければなりません。地震、台風、大 雪に対して安全な建築を設計することは構造設計の前提となります。その上で、美しく豊かな空間の構成や構築を含めて、幅広い領域を考慮した、健全で美しい構造デザインを目指しています。また、設計段階で施工方法を考 え、施工の中で生じるであろう現象や課題などを予見して、その対策を考案して、実現できる見通しを持つことも設計者として大変重要です。新しい構造システムを提案する ときには、挑戦する勇気と共に真摯で謙虚な気持ちが特に大切です。

本当に想像した通りに施工できるのか、機能は発揮されるのか、などの自問自答を繰 り返して設計した建築が、トータルでデザインされた美しい構造デザインとなって完成 したとき、「だから建築は面白い!」と熱くなる瞬間です。

 

低ライズドームと立体配匿したケー ブルを組み合わせて室内有効高さを確保した

繊細な柱・梁・テンションネットシステムで支えられた透明感あふれるガラス空間(シンガポールの商業施設)。

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