研究紹介
(卒業研究紹介)理工スポーツホールの夏期の温熱環境に関する実測を行いました
by SHUNKEN編集部

建築環境・設備研究室(井口)の研究テーマを紹介します。

今回は、8月に船橋キャンパスの理工スポーツホールで実施した、館内の温熱環境の実測について紹介します。

理工スポーツホール(外観)

夏の暑さが厳しくなり、体育の授業やサークル活動で利用される理工スポーツホールでも、館内の暑さへの対策が課題となっています。

今回の実測では、冷風扇と送風機を設置し、温熱環境の改善効果を検証しました。

冷風扇は、タンクに貯めた水が蒸発するときに周囲の熱を奪う仕組みを利用して、冷風を送り出す機器です。一方、送風機は、気流を発生させ、風によって涼しさを感じやすくする機器です。

冷風扇(左)と送風機(右)

実測では、スポーツホールを、これらの機器を使用するエリア(館内後側)と、使用しないエリア(館内前側)に分け、温度や湿度などを比較しました。

理工スポーツホール(内観)

測定は暑い環境での作業となるため、ファン付きの作業着を着用するなど、熱中症対策を講じながら取り組みました。

測定の様子

実測の結果を、下図に示します。

実験当日は、外気温は13時頃に33℃まで上昇し、相対湿度は50%以下まで低下しました。館内の温湿度は場所による差は小さく、外気の変化に遅れて変化しました。

冷風扇を単独で稼働させた12時から14時には、温度の低下が見られた一方で、相対湿度は上昇しました。これは、水の蒸発によって空気が冷やされるとともに、水蒸気が空気中に供給されたためだと考えられます。

続いて、14時から16時に冷風扇と送風機を同時に稼働させたところ、温度は上昇し、稼働前に近い状態に戻りました。送風機による気流で、冷風扇からの冷気が周囲の空気と混ざり、測定地点での温度低下が小さくなったようです。

今回の測定では、冷風扇を単独で稼働させたときに温度の低下がみられましたが、送風機を併用した時間帯には、その低下が小さくなりました。機器の組み合わせによって、測定地点での温度変化が異なることがわかります。

温度の測定結果

湿度の測定結果

このように、建物内の温熱環境には、実際に測定することで初めて分かることがあります。暑熱対策では、機器を設置するだけでなく、配置や組み合わせによる効果を確かめることが大切です。

より快適に利用できるスポーツホールを目指し、今後も実測と分析を重ねながら、効果的な暑熱対策を探っていきます。

by SHUNKEN編集部
ハッシュタグ
👉
WHAT'S SHUNKEN WEB
  • TOP
  • SHUNKEN WEB
  • (卒業研究紹介)理工スポーツホールの夏期の温熱環境に関する実測を行いました