

海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4
今までで間違いなく、一番多く建築を見た24日間だった。はじめて来たヨーロッパに最初は慣れることができず、言葉や街並み、食事などにいちいち戸惑っていた。しかし、次第に慣れていき、帰国したときには日本の言葉、街並み、食事に戸惑ってしまうほど、ヨーロッパの文化を体感することができた。このヨーロッパでの体験は、自分に大きな影響を与えてくれた。
旅行中、ヨーロッパでつけていた日記と写真を見ると、今でもその建築の空間を鮮明に思い出すことができる。ヨーロッパには、ここでは紹介しきれないほどたくさんの面白い建築があったが、中でも自分の中で印象的だった2つの建築を紹介したい。
ひとつ目は、有名なミース・ファン・デル・ローエ設計のバルセロナ・パビリオンである。「Less is more」や「God is in the detail」の言葉通りの設計で、とても美しい建築だった。シンプルな建築ではあるが、空間にはどこか豊かな雰囲気を感じられたのが面白かった。

スペインにある、ミース・ファン・デル・ローエ設計のバルセロナ・パビリオン。
ふたつ目は、ベネチアにある安藤忠雄設計のプンタ・デラ・ドガーナである。レンガでできた税関をリノベーションした美術館である。レンガと天井の木材と安藤忠雄のコンクリートという3つの素材が調和し、力強さと美しさを兼ね備えた建築であった。 ヨーロッパは、建築以外にも、ランドスケープ、歴史、ファッション、アートなど、日本にはない文化がたくさんあった。また、国によっても文化は微妙に違う。この海外研修では、短期間にたくさんの国を回るので、それらの国の文化の違いを感じることができる。この貴重な体験を糧にし、これからの学生生活も頑張っていきたい。

ベネチアにある、安藤忠雄設計のプンタ・デラ・ドガーナ。
TEXT=金田南斗(2年)
