令和6年8月22日から9月6日の16日間、フランス、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの5か国を訪れました。日本の文化とは異なる海外で過ごした16日間は、すべてが新鮮で、刺激的な日々でした。また、サヴォア邸、アアルトの建築など私たちが写真を通して見てきた建築を実際に見たときは感動しました。
実際に体験することで建築の魅力を新たに発見できたことは大きな収穫で、写真だけでは分からない細かなディテールの気づきや内部に入ったときの空間体験は強く印象に残り忘れることはないでしょう。一日に多くの建築を見てまわり、その中でも個人ではなかなか行くことが難しそうな中心部から離れた場所にある建築を見学できたことはとても貴重な経験でした。移動中や見学中に現地で暮らすガイドの建築の解説はもちろん、生活するなかでの現地の良さや注意点も教えてくださり助かりました。
私が最も印象に残っている建築は、ヘドマルク博物館です。既存の要塞に手を加えることをなく新たにガラスや屋根を増設させている点が、要塞を尊重し大切に保存しようとしていると感じコンバージョンとして素晴らしいと感じました。また、博物館としての動線や展示空間も魅力的なものでした。
そして5か国の中で一番再訪したいと思った国はフィンランドでした。自然豊かで街並みが美しく、親切でフランクな人たちが多く、食べ物も美味しい国で、海外に住むならフィンランドだと思ったほど魅了されました。
もちろん、建築の勉強だけでなく、自由行動の時間には先生や他学年の学生と食事や会話をしたことで交流を深めました。パリではオリンピックの開催期間で街中がオリンピック仕様となり、普段見ることのできない風景を見ることができました。移動中の船舶では、免税店で買い物をしたりカジノやクラブを楽しんだり、デッキで見た夜景やオーロラは良い思い出です。他にも市場でおいしい郷土料理を食べたり、行く先々でお土産を吟味したり、エッフェル塔など有名スポットで写真を撮ったりと帰国する瞬間まで楽しいことの連続でした。
この旅行では、建築を学ぶことに加えて、異国の地で生活する経験や参加者や現地の人との交流などを通して、自分自身さまざまな面で成長できたと感じます。今までとは違った視点や考えを持つことができ、この経験ができたことは今後の自分にとってプラスとなり、参加して本当に良かったと思えた旅行だったので多くの学生に海外研修旅行の参加をおすすめします。
杉山 舞(建築学科4年|建築設計研究室(佐藤光彦ゼミ))
写真1:開口よりも大きめのガラスが極力要塞に触れずに取り付けられている(ヘドマルク博物館/オスロ近郊)
写真2:中央から遺構を見渡すことのできる動線計画(ヘドマルク博物館/オスロ近郊)
写真3:太陽光が柔らかく落ちる展示空間(ヘドマルク博物館/オスロ近郊)
写真4:天然の岩盤とうまく融合したデザインに魅了された(テンペリアウキオ教会/ヘルシンキ)
写真5:日本ではなかなか見ることのないカラフルな街並みにテンションが上がった(ニューハウン/コペンハーゲン)