海外出張・研修レポート
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海外研修旅行2019 No.3”海外を訪れるからこそ見えてくるもの”
by SHUNKEN編集部

海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4

 

「旅というのは、空港に着いた時に終わるのではなく、周囲の景色が、わざわざ目を凝らすこともない日常に戻った時に終わる」小説家、角田光代の言葉である。満員電車に乗り、人混みを掻き分けて大学に通う、忙しない東京での生活に戻った今、思い返せば、夏の研修で過ごしたヨーロッパは、実に穏やかで、時間がゆっくり流れていたように感じる。研修自体は、息つく暇もないほどハードスケジュールであったが、ヨーロッパの街並みや人々の暮らし方がそう感じさせたのであろう。

時間の流れという点で、最も印象的であったのが、チェコの首都プラハだ。中央ヨーロッパ最古の都市で、全市が世界遺産に 登録されている貴重な街である。一国の中心都市でありながら、中世から現代まで、街全体で、時代ごとの様式をうまく組み合わせながら歴史を保持している。日本でも、歴史ある都市として京都が挙げられるが、要所要所で断片的に保存されている京都に比べて、プラハは、まるで時代の流れをそのまま都市に落とし込んだように、総括的に保存しているように感じられた。  こういったように、海外を訪れると、日本を客観的な目で見ることができる。当たり前の日常では見落としてしまう自国の良さや弱みを、改めて確認できることこそ、海外旅行の醍醐味だと私は思う。広い視野が求められる建築という分野において、今回の研修で見えてきたものは、私にとって大きな糧となっただろう。

プラハ城から見たプラハの街並み。

TEXT=岡添安莉(3年|佐藤慎也研究室)

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