2024.08.27-30 明治大学駿河台キャンパスにて、日本建築学会の主催する「2024年度日本建築学会大会(関東)」が開催されました。27日はオンライン開催、28~30日は対面開催で実施されました。 日本建築学会大会では、研究集会や学術講演会、建築デザイン発表会等が行われ、建築学科の教員や学生、卒業・修了生も多くの研究発表や作品発表を行いました。 建築学…
桜建賞審査会(構造系)が、2024年2月8日に開催されました。桜建賞審査会とは、日本大学理工学部建築学科の設計計画系(設計・論文)、構造系、環境系の各系で行う、卒業研究の賞選考会になります。 今年は、建築学科(構造系)の6研究室、短期大学部との連携研究室の2研究室、計8研究室から推薦された8組が選考対象となりました。 昨年と同様に対面での開催とし、発表者及び…
エアコン1台で、住宅全体の空調ができる世界。快適性と省エネを両立できる奥深さ。 私は住宅の設計に興味があったため、建築学科に入学しました。 入学前までは、建築と言えば設計課題で図面を描いて模型をつくるというイメージが強く、将来は建物をデザインする仕事を目指すだろうな、という漠然とした考えがあったことを覚えています。 実際にそのような設計の授業もあります。しか…
リアルとアンリアルを横断する経験の楽しさ 建築って本当に面白いものなんだっ!と実感したのは、確か学部の3年生頃だったと記憶しています。3年生くらいになると建築理論の難解な書物などに触れるようになるのですが、当時の僕は、このような書物を通じて、建築の抽象的な側面に興味を持ちはじめました。と同時に、建設現場でのアルバイトを経験し、建築物が具体的につくられていく迫…
分野を超えて対話し、多様な切り口で建纂を見る ときにシンポジウムや講演会、また展覧会の企画などに関わります。大学の垣根を越 えて、また美術史や社会学、言語学など建築外の専門の研究者たちと、共通のテーマのもと対話に取り組みます。研究とは、なにか「正解」があるようなものでもありません。特に建築史の分野では、歴史上の事実は不変でも、社会や後世に与えた影響を考えたと…
見えない地中で建築大きく支える 私が大学に入学した頃は、設計(いわゆる意匠設計)をするつもりでしたが、すぐに不向きだと気づき、構造分野に軌道修正しました。構造設計に進んでも役に立つと思い、安達俊夫教授の研究室(現:地盤基礎研究室)に入り、研究を行っていたところ、縁があって、卒業後も建設会社で地盤・基礎構造の研究開発を行っています。 大学での研究は室内での要素…
実寸大の空間を体惑し、その場で思考を悩らせる 「安心するからですかね。実寸じゃなくてもいいんですけどね」 ある出張にて、木工事を担当する大エさんへ、「なぜ1/1(実寸図)を描くのか?」 と尋ねた際、こう返され、建てることへの意識の違いを痛感し、帰路の道中、実寸についてさまざまなことを考えさせられた。例えば、学生時代の習志野ドームやサマーセミナーといったワーク…
集落調査~建築の設計~地域のデザイン 最初に海外の集落調査に行ったのは、インドネシアでした。バリ島、スン バ島、サブ島、イリアン ・ ジャヤ、チモール島、カリマンタン島など、伝統的な集落を2ヶ月にわたって調査しました。赤道直下の照リつける太陽のもとで、夢中になって住宅の因面や集落の配置図を描いていました。ちょうどM2になる24歳の春でした。その頃、私は日大理…
永く関われるランドスケープだからこそ得られる喜び 私は建築境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ学科で建築を勉強はしましたが、大学卒業後、植物の勉強がしたくて造園環境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ上がっているわけではない!ということ。あの建築物を見たいと思って出かけて行けば、目に最…
プレイスが豊かになれば、都市が豊かになる 建築は建築作品をつくることが目的ではなく、人の生活を豊かにするための手段です。都市は人や建築の集合体であるとともに、経済活動や交流などさ まざまな都市生活が行われる舞台です。これはつい忘れがちなことです。 都市には、建築以外にも、パブリックスペースなどさまざまなプレイス(場所)があります。ストリートに滞留空間をつくる…
密から疎ヘ 使いやすさと高性能の両立 新しい日常をつくっていかなければなりません。原稿を書いている現在は非常事態宣言のさなかにあり、 大学ではメディア授業を開始したところです。しかし、あと数ヶ月すればかつての日常が戻るのでしょうか。そうは思えない人が多いかもしれません。 通気性や開放性が設計の重要な要素に なお、コロナが発生する以前から、平均気…
さまざまな分野の個性豊かな先生との交流も 建築という学問は、飽きることのないもの 大学へは、建築のデザインを学びたくて入学しました。 というよりも、建築の仕事についてあまり知らず、建物をデザインしたり、住宅の間取りを考えていくのが、「建築」の仕事であると考えていました。 しかし、建築はデザインする (意匠) だけではなく、構造や環境、歴史、材料…
響きを生み出す音楽ホールそのものが「楽器」である 音楽の劇的感動体験で好奇心に火が付いた 大学生の頃はステレオ鑑賞とギターを趣味に持つ音楽ヲタク族のひとりでした。 そんな自分がホール音響の研究を行っているゼミに魅せられたことは必然でした。でも、環境・音響工学の勉強は奥が深く、先生や先輩から教えてもらう音響学と自分の音(音楽)体感が全く結び付かず…
”ものづくり”の醍醐味 発想・想像力と創造力 地上積雪が1 mでも屋根には雪が積もらなかったという徴底した屋根雪処理された膜構造(室内練習場)。 建築の何が面白いかというと、何と言っても ‘‘ ものづくリ ’’ではないでしょうか。 住宅から、高層ビルや塔などの高い建築、あるいは体育館や野球場、スタジアムなどの広い空間の建築まで、規模…
職人さんの建築愛の一助になりたい! 街中でコンクリー トポンプ車を見かけると自然と目で追ってしまいます。恐らく、車好きの人が、重低音を響かせて走るポルシェやフェラーリに目を奪われるような感覚だと思います。あまりジロジロ見ていると変な人だと思われるので、通リ過ぎるときに横目で見ています。「どこのポンプだろう?」「このポンプ車キレイだな」いつの間にかこんな風に考…
多種多様な生き方の人間を受け入れてくれる建築の世界 おそらく、私は建築がそれほど好きではあリません。建築との関わりはもう 25年 になるのですから 、きっと真実です。私が建築の世界に興味を持ったのは、父親の影響でした。某競馬新聞の記者であった父は、その方面では有名でしたが、建築とは無関係でした。そんな父親との会話に、なぜか時折、建築家が登場したことを覚えてい…
時代と共に変わっていく様式と受け継がれていく様式 ケニアのとある農村部。干ばつの厳しい地域で貧困度が高く、いわゆる士と木の枝で 建設した伝統 「風」の家屋が残っています。伝統建築は、「ヴァナキュラー建築」や 「建築家なしの建築」などと形容され語られてきました。 「伝統」を見極めることはとても難しいことです。ケニアの農村部がある奥まった地域でも、キリスト教布教…
それは建築なのか? 今でも、そのときの光景を鮮明に憶えています。大学を卒業して数ヶ月後の夏、私は薄暗く蒸し暑く天井の低い空間に佇み、黒々とした広大な床に描かれた夥しい数の白線を見つめていました。そこは、就職した伊東豊雄建築設計事務所ではじめて担当した「横浜風の塔」の鉄骨製作工場での原寸検査(※1)の場でした。何の経験もない若造だった私は、設計監理の担当者とし…
暮らしや権利、欲望渦巻く「都市」をどうつくるのか 商業39件、景観32件、都市計画制度 19件、市街地変容18件、公園 ・ 広場14件……」、何の数値でしょうか?これは、1987年度から2019年度まで33年間の都市計画研究室の卒業論文全288件のうち、上位のテーマ5つです。実にバ ラエティに富んでいます。このように都市計画の研究は対象が広いの…
「2018年日本建築学会大賞」 受賞インタビュー 斎藤公男 名誉教授 × 岡田章 教授 × 宮里直也 教授 (インタビュアー:廣石秀造 短大助教(現:建築学科准教授)、大西正紀(mosaki)) - 「2018年日本建築学会大賞」の受賞おめでとうございます。今回の受賞は、単体の作品や研究についての受賞ではない、とうかがいました。 斎藤:今回評価…