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地域デザイン研究室(山﨑ゼミ)の山﨑誠子(短大准教授)が教える”建築の面白さ”
by SHUNKEN編集部

永く関われるランドスケープだからこそ得られる喜び

私は建築境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ学科で建築を勉強はしましたが、大学卒業後、植物の勉強がしたくて造園環境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ上がっているわけではない!ということ。あの建築物を見たいと思って出かけて行けば、目に最初に入るのは建築物じゃなくて、その建築物がある界隈の景色、そしてその建築物の周囲にある環境、地形、緑地です。これをしっかり読み込んで建築物を設計しないと、いくら建築デザインが良くても伝わらないし、その努力は台無しになります。
写真は、一昨年訪れたフランクロイド・ライトが設計した、「落水荘」です。学生のときからずっと見たかった建築物のひとつです。岩と水と植物が無いと、この建築の魅力はこのように発揮できたでしょうか。この建築物に近づいていくエントランスも雰囲気があって、目の前に建築 物が見えてきた感動はあのエントランスがあってのものだと思います。

落水荘外観

2番目の写真は、駿河台キャンパス近くにある 「ワテラス」の広場です。

ワテラスの広場。

ワテラスはふたつの高層建築物の周囲をぐるりと広場や緑地、水が取り囲み、周辺で働く人や住民の居心地の良い空間を提供しています。春の花が咲きはじめ、天気が良いときは、お昼ご飯をこの広場
に面したベンチで食べる方が多く見られます(コロナ禍で今はその光景も変化しましたが……)。私はこのワテラスのコンセプト立案から緑地の設計監修、現在はエリアマネジメント評議委員まで、約20年間関わっています。建築デザインだけの関わりだと、この20年というタイムスパンはなかったでしょうね。地域デザイン、ランドスケープデザインに関わったからこそ生まれた関係だと思います。「ワテラスのあの周囲の環境、なんとなくいいね」と言われると大変うれしいです。だから建築じゃなく、地域デザイン ・ ランドスケープは面白い。

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