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建築計画(二瓶ゼミ)研究室の二瓶士門(理工助教)が考える “ 建築の画白さ ”
by SHUNKEN編集部

密から疎ヘ 使いやすさと高性能の両立

 

新しい日常をつくっていかなければなりません。原稿を書いている現在は非常事態宣言のさなかにあり、 大学ではメディア授業を開始したところです。しかし、あと数ヶ月すればかつての日常が戻るのでしょうか。そうは思えない人が多いかもしれません。

通気性や開放性が設計の重要な要素に

なお、コロナが発生する以前から、平均気温の上昇により南極などの氷がとけ、過去の病原体や温室効果ガスが出てくることは言われていたため、新しい日常をつくる衝動が、今来た だけなのかもしれません。これまでは、アニメ「攻殻機動隊」で表現されているような高密度に都市化する未来が信じられてきました。建築業界で言えば、縮退する社会と都市化をかけ合わせたコンパクトシティという、高密度を目的としたコンセプトがあるものの、修正が必要になるでしょう。つまりは、密ではなく疎であること、通気性、開放性が重要な設計の要素にな るのではないでしょうか。

例えば、飲食店であれば新鮮空気の回転率、オフィ スであれば密度を下げたレイアウト、商業施設でも窓を開けられることなどが挙げられます。我々の研究室では、「別冊駿建」にある ように、建築をつくることで負荷がさらに下がるような社会を目指しています。負荷とは、エネルギーやCO2にとどまりません。3.11以降、よリ丈夫で高性能な建築物が求められる社会となりましたが、利用者にとって理解しにくい、使いにくい高性能ではなく、使いやすいという意味での負荷も含んでいます。アフターコロナにおいて、よリ高性能の建築が求められることになりますが、性能の組み合わせにとどまらない建築を一緒につくつていきたいと思っています。その事例として、昨年取り組んだ研究室プロジェクトのひとつ、梅屋敷商店街において展開したパートナーハウスの家具を写真で紹介します。

切り出した部材は、 釘や糊を使わず、 軽量であることから、 こどもが自由に組み立てている。

グラスホッパーで設計プロセスを共有、 全体像を確認し、 NC切削機でリアルサイズを切り出しているところ。

設計した仕組みと今後の展開可能性をプレゼンテーションし、 意見交換を行った。

 

 

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