Visit & Criticism 学生建築探訪 From SHUNKEN 2021 Jun. vol.49 no.1 TEXT=小高駿介・箭内創大・山田大貴(B4・古澤研究室) コロナ対策によりオンライン授業やリモートワークがすっかり浸透しきった昨年秋に、私たち4年生はゼミに配属となりました。配属後、私たちのゼミは週1回…
Visit & Criticism 学生建築探訪 From SHUNKEN 2021 Jan. vol.48 no.3 TEXT=石田弘樹・一柳亮太郎・岩﨑正人(M1・古澤研究室) 今まで当たり前だったことが見直されているコロナ禍で、住まい方や働き方、人との距離感などの変化もまた、これからの建築に影響を及ぼすことでしょう。…
今回のSHUNKEN WEBは、建築学科の中田善久教授が2020年日本建築学会賞を受賞された際に行ったインタビュー(『駿建』2021年1月号に掲載)の再掲記事となります。同学科の山中新太郎教授がインタビュアーとなり、受賞に至る経緯と受賞された論文のタイトルでもある「高強度コンクリートの品質に影響を及ぼす調合および施工要因の評価に関する一連の研究」に対する想い…
インタビューイー=古澤大輔[淮教授] インタビュアー=井本佐保里[助教]、泉山塁威[助教]、大西正紀[駿建編集委員] 日本建築大賞は、JIA(公益社団法人日本建築家協会)が日本国内における各年度の優秀な建築作品を選定し、 特に建築文化の 向上に寄与し、 芸術・技術の両面で総合的な価値を発揮した建築 作品に対して授与するもので、 この20年間には、 妹島和世、…
エアコン1台で、住宅全体の空調ができる世界。快適性と省エネを両立できる奥深さ。 私は住宅の設計に興味があったため、建築学科に入学しました。 入学前までは、建築と言えば設計課題で図面を描いて模型をつくるというイメージが強く、将来は建物をデザインする仕事を目指すだろうな、という漠然とした考えがあったことを覚えています。 実際にそのような設計の授業もあります。しか…
Visit & Criticism 学生建築探訪 From SHUNKEN 2020 Jul. vol.48 no.2 今回の建築探訪はお休みです。その代わりに、古澤研究室所属の7名の4年生たちから、オススメの建築本を1冊ずつ紹介します。無数に存在する建築本。どんな本に出会うかで、その後の人生をも左右するものです。ぜひ、興味を持った本は手に取ってみて…
リアルとアンリアルを横断する経験の楽しさ 建築って本当に面白いものなんだっ!と実感したのは、確か学部の3年生頃だったと記憶しています。3年生くらいになると建築理論の難解な書物などに触れるようになるのですが、当時の僕は、このような書物を通じて、建築の抽象的な側面に興味を持ちはじめました。と同時に、建設現場でのアルバイトを経験し、建築物が具体的につくられていく迫…
分野を超えて対話し、多様な切り口で建纂を見る ときにシンポジウムや講演会、また展覧会の企画などに関わります。大学の垣根を越 えて、また美術史や社会学、言語学など建築外の専門の研究者たちと、共通のテーマのもと対話に取り組みます。研究とは、なにか「正解」があるようなものでもありません。特に建築史の分野では、歴史上の事実は不変でも、社会や後世に与えた影響を考えたと…
見えない地中で建築大きく支える 私が大学に入学した頃は、設計(いわゆる意匠設計)をするつもりでしたが、すぐに不向きだと気づき、構造分野に軌道修正しました。構造設計に進んでも役に立つと思い、安達俊夫教授の研究室(現:地盤基礎研究室)に入り、研究を行っていたところ、縁があって、卒業後も建設会社で地盤・基礎構造の研究開発を行っています。 大学での研究は室内での要素…
実寸大の空間を体惑し、その場で思考を悩らせる 「安心するからですかね。実寸じゃなくてもいいんですけどね」 ある出張にて、木工事を担当する大エさんへ、「なぜ1/1(実寸図)を描くのか?」 と尋ねた際、こう返され、建てることへの意識の違いを痛感し、帰路の道中、実寸についてさまざまなことを考えさせられた。例えば、学生時代の習志野ドームやサマーセミナーといったワーク…
集落調査~建築の設計~地域のデザイン 最初に海外の集落調査に行ったのは、インドネシアでした。バリ島、スン バ島、サブ島、イリアン ・ ジャヤ、チモール島、カリマンタン島など、伝統的な集落を2ヶ月にわたって調査しました。赤道直下の照リつける太陽のもとで、夢中になって住宅の因面や集落の配置図を描いていました。ちょうどM2になる24歳の春でした。その頃、私は日大理…
永く関われるランドスケープだからこそ得られる喜び 私は建築境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ学科で建築を勉強はしましたが、大学卒業後、植物の勉強がしたくて造園環境デザインの大学に進みました。今言えるのは、建築デザインだけで世の中ができ上がっているわけではない!ということ。あの建築物を見たいと思って出かけて行けば、目に最…
プレイスが豊かになれば、都市が豊かになる 建築は建築作品をつくることが目的ではなく、人の生活を豊かにするための手段です。都市は人や建築の集合体であるとともに、経済活動や交流などさ まざまな都市生活が行われる舞台です。これはつい忘れがちなことです。 都市には、建築以外にも、パブリックスペースなどさまざまなプレイス(場所)があります。ストリートに滞留空間をつくる…
密から疎ヘ 使いやすさと高性能の両立 新しい日常をつくっていかなければなりません。原稿を書いている現在は非常事態宣言のさなかにあり、 大学ではメディア授業を開始したところです。しかし、あと数ヶ月すればかつての日常が戻るのでしょうか。そうは思えない人が多いかもしれません。 通気性や開放性が設計の重要な要素に なお、コロナが発生する以前から、平均気…
さまざまな分野の個性豊かな先生との交流も 建築という学問は、飽きることのないもの 大学へは、建築のデザインを学びたくて入学しました。 というよりも、建築の仕事についてあまり知らず、建物をデザインしたり、住宅の間取りを考えていくのが、「建築」の仕事であると考えていました。 しかし、建築はデザインする (意匠) だけではなく、構造や環境、歴史、材料…
響きを生み出す音楽ホールそのものが「楽器」である 音楽の劇的感動体験で好奇心に火が付いた 大学生の頃はステレオ鑑賞とギターを趣味に持つ音楽ヲタク族のひとりでした。 そんな自分がホール音響の研究を行っているゼミに魅せられたことは必然でした。でも、環境・音響工学の勉強は奥が深く、先生や先輩から教えてもらう音響学と自分の音(音楽)体感が全く結び付かず…
Visit & Criticism 学生建築探訪 From SHUNKEN 2020 Apr. vol.48 no.1 稲村浩成・久保開陸・佐藤玲菜・西田美奈・平山茉歩・森野和泉(4年|古澤研究室) 今、渋谷の街が大きく変わろうとしています。「渋谷ヒカリエ」の完成から約7年、「渋谷スクランブルスクエア第一期(東棟)」や「渋…
”ものづくり”の醍醐味 発想・想像力と創造力 地上積雪が1 mでも屋根には雪が積もらなかったという徴底した屋根雪処理された膜構造(室内練習場)。 建築の何が面白いかというと、何と言っても ‘‘ ものづくリ ’’ではないでしょうか。 住宅から、高層ビルや塔などの高い建築、あるいは体育館や野球場、スタジアムなどの広い空間の建築まで、規模…
職人さんの建築愛の一助になりたい! 街中でコンクリー トポンプ車を見かけると自然と目で追ってしまいます。恐らく、車好きの人が、重低音を響かせて走るポルシェやフェラーリに目を奪われるような感覚だと思います。あまりジロジロ見ていると変な人だと思われるので、通リ過ぎるときに横目で見ています。「どこのポンプだろう?」「このポンプ車キレイだな」いつの間にかこんな風に考…
多種多様な生き方の人間を受け入れてくれる建築の世界 おそらく、私は建築がそれほど好きではあリません。建築との関わりはもう 25年 になるのですから 、きっと真実です。私が建築の世界に興味を持ったのは、父親の影響でした。某競馬新聞の記者であった父は、その方面では有名でしたが、建築とは無関係でした。そんな父親との会話に、なぜか時折、建築家が登場したことを覚えてい…
時代と共に変わっていく様式と受け継がれていく様式 ケニアのとある農村部。干ばつの厳しい地域で貧困度が高く、いわゆる士と木の枝で 建設した伝統 「風」の家屋が残っています。伝統建築は、「ヴァナキュラー建築」や 「建築家なしの建築」などと形容され語られてきました。 「伝統」を見極めることはとても難しいことです。ケニアの農村部がある奥まった地域でも、キリスト教布教…
それは建築なのか? 今でも、そのときの光景を鮮明に憶えています。大学を卒業して数ヶ月後の夏、私は薄暗く蒸し暑く天井の低い空間に佇み、黒々とした広大な床に描かれた夥しい数の白線を見つめていました。そこは、就職した伊東豊雄建築設計事務所ではじめて担当した「横浜風の塔」の鉄骨製作工場での原寸検査(※1)の場でした。何の経験もない若造だった私は、設計監理の担当者とし…
暮らしや権利、欲望渦巻く「都市」をどうつくるのか 商業39件、景観32件、都市計画制度 19件、市街地変容18件、公園 ・ 広場14件……」、何の数値でしょうか?これは、1987年度から2019年度まで33年間の都市計画研究室の卒業論文全288件のうち、上位のテーマ5つです。実にバ ラエティに富んでいます。このように都市計画の研究は対象が広いの…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4 私が、今回の海外研修で最も印象に残っているのは、サクラダ・ファミリア贖罪教会である。まだ海外研修3日目の見学ということもあって、非常に衝撃を受けた。ファサードはテレビや写真でよく見ていたが、内部に入り、その美しさに圧倒されたのを覚えている。息をのむ美しさ…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4 「旅というのは、空港に着いた時に終わるのではなく、周囲の景色が、わざわざ目を凝らすこともない日常に戻った時に終わる」小説家、角田光代の言葉である。満員電車に乗り、人混みを掻き分けて大学に通う、忙しない東京での生活に戻った今、思い返せば、夏の研修で過ごした…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4 今までで間違いなく、一番多く建築を見た24日間だった。はじめて来たヨーロッパに最初は慣れることができず、言葉や街並み、食事などにいちいち戸惑っていた。しかし、次第に慣れていき、帰国したときには日本の言葉、街並み、食事に戸惑ってしまうほど、ヨーロッパの文化…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2020 Jan. vol.47 no.4 私は絵が好きで、美術館によく遊びに行きます。今回の海外研修旅行のコースは、佐藤慎也先生の引率による美術館を巡るコースだったので、私にとって楽しみは多かったです。研修旅行中は、現代アートの美術館を中心に観て回りました。現代アートというと、なんだか意味のわか…
大学の外の世界だからこそ学べることを 受賞記念インタビュー From SHUNKEN 2019 Oct. vol.47 no.3 インタビュイー:今村雅樹特任教授インタビュアー:古澤大輔助教 ―大学連携による教育プログラム「建築トークイン上越」が、「2019年日本建築学会教育賞(教育貢献)」を受賞しました。おめでとうございます。今村先生は参加講…
2019年日本建築学会作品選奨 めぐみ会第一仏光こども園新園舎 瀬戸健似(プラスニューオフィス代表取締役) 近藤創順(プラスニューオフィス取締役) インタビュイー:近藤創順 非常勤講師 インタビュアー:山中新太郎 教授 -2019年日本建築学会作品選奨の受賞おめでとうございます。まずは簡単な自己紹介をお願いします。特に、本学出身ということで…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2019 Jan. vol.46 no.4 各時代を代表する名建築をなぞりながら、ヨーロッパ全土を駆け抜ける旅。大川先生の先導のもと、脈々と続くヨーロッパ建築史の大いなる川に身を委ね、身を以てその体系を学んだ24日間であった。語りたいことは山ほどあるが、旅に一貫してあった「文脈」という視点を中心に振り返りたい。…
海外研修旅行レポート From SHUNKEN 2019 Jan. vol.46 no.4 青く乾燥した空の下、勧誘の声、車の音、観光客の視線、あまい匂いが五感を刺激する。しかし、町中に佇む教会には、暗がりの静けさがあり、一歩入ると異世界だった。中でもシュテファン教会の高く天まで伸びるシャフトから、リブがあらゆる方向に延びていく様子は、枝分かれする木々のよう…
重枝豊 教授 × 松永直美 レモン画翠代表取締役 (インタビュアー:古澤大輔 助教、加藤千晶 助手) 左から、重枝先生と松永さん。重枝先生とレモン画翠との関係は、社長の代が変わっても続いている。 -今回、長年開催されてきた「学生設計優秀作品展」、通称「レモン展」の建築設計教育に対する貢献が認められ、「2018年日本建築学会賞(業績)」が贈られま…
今回のSHUNKEN WEBは、本学の卒業生が2018年日本建築学会作品選奨および2017年度JIA新人賞を同時受賞された際に行ったインタビュー(『駿建』2018年10月号に掲載)の再掲記事となります。(JIA新人賞は馬場さん単独の受賞) 同学科の渡辺富雄教授、古澤大輔助教(いずれも役職は当時)がインタビュアーとなり、受賞に至る経緯と受賞された建築「東松山農…
本杉省三 特任教授 × 佐藤慎也 教授 (インタビュアー:堀切梨奈子 助手) 左から、佐藤先生と本杉先生。 佐藤先生は、本杉先生の研究室(小谷・本杉研究室)出身であり、 11年間、本杉先生の研究室の助手を務めていた。 -受賞の対象となった『劇場空間の源流』 (2015、鹿島出版会)を読んでみて、場所、時間、コンテンツなどが幅広い一方、全体を通し…
「2018年日本建築学会大賞」 受賞インタビュー 斎藤公男 名誉教授 × 岡田章 教授 × 宮里直也 教授 (インタビュアー:廣石秀造 短大助教(現:建築学科准教授)、大西正紀(mosaki)) - 「2018年日本建築学会大賞」の受賞おめでとうございます。今回の受賞は、単体の作品や研究についての受賞ではない、とうかがいました。 斎藤:今回評価…
~あのレム・コールハースやダニエル・リベスキンドが5号館に!!~ text= 佐藤慎也 教授 5号館との出会いは1989年、大学2年のとき。設計者である宮川英二先生は既に他界されていて、建築計画の教科書を書いた先生という存在でした。しかし、所属研究室の指導教員だった小谷喬之助先生が5号館の設計に関わっていたことから、設計や建設のときの話をよく聞かされました。…